また、アメリカンフットボールでは40ヤードダッシュのタイムが10%短縮し、フィールドゴールのキックの精度が20%の向上、精神的なエラーが半減している。同社のジェフ・カーンCEOは「睡眠は私たちが知るなかで最も強力なパフォーマンス向上活動です」と強調している。

 この分野において新興の同社だが、大学ばかりでなく、米プロアメリカンフットボールNFLや、NBAのシカゴ・ブルズなど2017年だけで12以上のチームと契約を結んだ。

アンダーアーマーはハード/ソフトを両輪で

ウープ社の「ウープ・ストラップ」(写真:ウープ社)
ウープ社の「ウープ・ストラップ」(写真:ウープ社)
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 もちろん、この分野に取り組んでいるのはライズ・サイエンス社だけではない。ペンシルバニア州立大学のアメリカンフットボールチームは米ウープ社と契約した。ウープ社の場合、腕時計のように手首に装着するタイプの端末「ウープ・ストラップ」を使い、心拍数や心拍の安定性、体温、動作、睡眠などの生体(バイタル)データを1日中測定できる。MLBやNFLでも選手個人単位で使用できる契約が結ばれている。

 一方、メリーランド大学のアメリカンフットボールチームが契約したのはスポーツ用品メーカー、米アンダーアーマー社。同社は2017年初頭から、NFLのスター選手トム・ブレイティのブランド「TB12」を使った睡眠時の回復向上をうたうスリープウェアと、腕時計型端末やスマホアプリを使い、睡眠や心拍数、消費カロリーなどを測定、分析する「UA Record」を開始している。いわばハードとソフトの両方で取り組んでいるのが特徴だ。

アンダーアーマー社の「UA Record」のWebページ(図:アンダーアーマー社)
アンダーアーマー社の「UA Record」のWebページ(図:アンダーアーマー社)
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 このようにスポーツにおける睡眠科学の分野には複数の企業が参入し、既に競争が激化しつつある。実際、アラバマ大学の場合、昨年まではウェアラブル端末の「Fitibit」で睡眠を測定していたが、ライズ・サイエンス社に乗り換えた格好だ。今後こうした競争を通して、さらなる技術発展と普及が進みそうである。