米国時間の2018年2月4日、ミネソタ州ミネアポリスで開催された米プロ・アメリカンフットボールNFLの優勝決定戦「第52回スーパーボウル」。フィラデルフィア・イーグルスが大方の予想を覆して初制覇を成し遂げ、大いに盛り上がったが、その直前にNFLはテクノロジーに関連した3つの動きを見せた。

 まず1月29日に発表されたのが、パソコンやプリンターなどの事業を展開し、NFLの公式スポンサーでもある米ヒューレット・パッカード(HP)社のフットウェアソリューション「FitStation」の採用だ。

 FitStationはハードとソフトの両方からなる同社独自のプラットフォームで、9台のカメラを含む3Dスキャナーによって足の長さや幅、土踏まずの高さなどを測定する。さらに足の圧力測定、歩行の動的分析などを1秒間に最大500回行い、デジタルプロファイルを作成する。

HP社がFitstationに関してNFLと提携したことを発表したリリース(図:HP社のWebページより)
HP社がFitstationに関してNFLと提携したことを発表したリリース(図:HP社のWebページより)
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 独自のアルゴリズムを使用することで米ナイキ社、独アディダス社、米アンダーアーマー社のシューズをスキャンした3Dイメージとマッチングし、その選手にとって最適なシューズを選出し、使用を推奨する。NFL全32チームがこの技術を採用し、来シーズンの開幕までに全てのチームのエクイップメント・ルームに導入されるということだ。

 米国では現在、FitStationの測定によって最適なランニングシューズを推奨したり、ソールのカスタマイズなどを売り込んだりする目的で小売店への展開が図られている。それが今回は、最適なシューズの使用を勧めることでケガの予防を図る目的で導入が決まった。

 NFLの筋骨格委員会のメンバーであるリチャード・ケント博士は声明で「シューズはパフォーマンス向上のためだけでなく、防具の重要な一部です。NFLでは選手が欠場する理由の多くが下肢損傷に由来しています。より良いデザインのシューズは足の捻挫や骨折、足首の捻挫などのケガに対する防御メカニズムになり得ます」とし、導入の意義を強調した。

スマート・ベッドを全選手に提供

 続く1月31日にNFLが発表したのは、睡眠科学を専門とする米スリープ・ナンバー社との提携だった。この提携により、全選手に同社の「360スマート・ベッド」が提供される。同ベッドにはセンサーが搭載されおり、使用者個々人にとって最適な固さになるよう自動調節される他、「スリープIQ」と呼ばれる技術によって睡眠の時間や質が測定される。

スリープ・ナンバー社がNFLと提携したことを発表したリリース(図:スリープ・ナンバー社のWebページより)
スリープ・ナンバー社がNFLと提携したことを発表したリリース(図:スリープ・ナンバー社のWebページより)
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 スリープIQはスマートフォン(スマホ)アプリと連携し、ベストな睡眠の回数や時間が割り出される。スリープ・ナンバーの担当者がこれらのデータから睡眠療法を担当するチームのトレーナーと連絡を取り、選手が最大の休息を取れるアドバイスを行うとしている。

 HP社との提携はケガの予防が目的だったが、スリープ・ナンバー社との提携の目的は回復力の向上だ。ロジャー・グッデルNFLコミッショナーは「スリープ・ナンバーの革新的な技術を提供することで、選手とコーチたちを最良の状態にするために肉体の最も基本的な再生法である睡眠を“最大化”できる」と語っている。