同施設のダニー・ブックバー社長は「フットボールファンの95%は試合に行ったことがないし、スタジアムの爆音を聞いたこともない。ハドル(プレー前に組まれる円陣)がどういうものなのか体験したこともなければ、試合終了の紙吹雪を見たこともない」と開設の意義を語っている。
NFLの公式イベント会場としても利用
では実際に、どのようなアトラクションが設けられるのか。まず入場したファンが体験することになるのが、185席のいわゆる“4Dタイプ”(シーンに合わせた感覚を動くシートや風、霧などで体験できる)の映像シアターだという。ここではNFL傘下の映像会社NFLフィルムズが、試合当日のスタジアムの様子を撮影した作品「ゲームデー」を上映する予定となっている。
映像を見て優勝チームの選手になった気分でシアターを出ると、そこに待っているのがコーチの試合後のスピーチが聞こえる、試合後の様子を模したロッカールームなのだとか。まさにNFLの世界への没入感を得られる演出である。
このほかにも、ホログラム映像の名コーチが目の前でプレーを解説をしてくれる体験コーナーやカメラの前に立つと自分の顔とユニフォーム姿のCG映像をリアルタイムに合成してくれるコーナーなども作られる予定だ。これまで人気だった、運動体験や優勝トロフィーの展示も行われる。
もちろん、常設のアトラクションだけではない。NFLとしてはタイムズスクエアという地の利を生かし、今後、記者会見やVIPパーティーなどさまざまな公式イベントの会場として利用していく、としている。
プロリーグがスポーツの枠を超えたエンターテインメント事業の分野にまで乗り出し、人気と事業の拡大を図る新たな時代が到来したのである。