またツイッターに対しては、全30チームの絵文字がやはり開幕前に公開され、ファンによる使用を促す策が取られている。

アリーナへはウーバーで

 一方、AR(拡張現実)を使ってファンに新たな体験をしてもらうことで、SNSなどでの拡散を狙ったものの、裏目に出てしまった事例もある。

 2015年に優勝したクリーブランド・キャバリアーズは2016年10月25日、本拠地で行われた開幕戦の開始前、選手やコーチに優勝リングを授与するセレモニーを行った。それに対してチームはスポーツ用品メーカー、米ナイキ社をスポンサーに来場したファンにシリコン製のリングを無料で配布したのである。

クリーブランド・キャバリアーズが提供したARサービスがうまく機能をぜず、文句を言っているユーザーのツイート(図:J.T.Sturm氏のツイート)
クリーブランド・キャバリアーズが提供したARサービスがうまく機能をぜず、文句を言っているユーザーのツイート(図:J.T.Sturm氏のツイート)
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 このリングを指にはめて、チーム公式アプリで撮影するとAR機能によって、あたかも自分が豪華な優勝リングをはめているかのような画像が作成できるという仕組みだった。もちろん画像にはナイキのロゴが挿入される。

 が、実際にはAR機能がうまく作動せず、実際のシリコン・リングにキャバリアーズのロゴが薄く重なって表示されるだけという事例が頻発した。そのため、失敗画像と共に「期待したのと違う」「どうなってるんだ?」といったコメントが添えられたツイートがいくつも投稿されることになってしまった。

 一方、各チームとの積極的な提携に出ているのが配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズだ。半数以上となる16チームと契約し、試合会場のアリーナに専用の乗降車場所を設置するなど利用の促進を図っている。以前紹介したプロアメリカンフットボールNFLで契約しているのが2チームだから、その差は大きい。これはNBAのアリーナはそのほとんどがダウンタウンなど都市の中心部にあり、ウーバーを低料金で観戦の足にしやすいということが背景にありそうだ。

 NBAによる新たな施策は、ファンに対するものだけではない。今シーズンからはベンチに有線ネットワークをつなぎ、コーチや選手が試合中にプレーのビデオやデータをほぼリアルタイムで見ることを許可した。

 ビデオやデータを見ること自体は2012~13シーズンから行われていたが、それらを保存したストレージを毎回ベンチに運び、設置されたパソコンにいちいちアップロードしなければならなかった。今回、ビデオルームなどで担当者がプレー画像の編集を行うとすぐにベンチでそれを見ることができるようになった。即時性の大幅な向上により、プレーや作戦に変化が生まれるかもしれない。