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 2016年7月6日、最新のAR(Augmented Reality、拡張現実感)オンラインゲーム「ポケモンGO」が欧米数カ国を皮切りに、日本やシンガポールなどアジアの国・地域で続々とリリースされ、大ブームを起こした。米メディアのCNN Moneyによると、ポケモンGOはリリース後の最初の1週間でApple Storeのダウンロード記録を更新。今後1~2年のうちにApple社に30億米ドル(約3000億円)の収入をもたらす見込みだとする。調査会社の米Sensor Tower社によると、プレイヤーたちがポケモンGOに使う時間は、Facebook、Snapchat、Twitterのいずれより多く、2016年7月22日までに3500万米ドル超(約35億円超)のネット収入(純利益)を得ている。

 また、米comicbook.comは、Apple StoreとGoogle Playを合わせたダウンロード数は、同7月28日までに7500万回に達したとする。そして、そうした数字を裏付けるように、とにかく街中にスマートフォンを持ったプレイヤーたちが溢れていた。彼らは自分の住んでいる街を歩きながら、ポケモンを発見し、それをゲットするわけである。歩くことで今まで気がつかなかった街のさまざまな風景に気が付くなど、小さな新発見ができることがさらに人気を呼んだ。

 このように、普及したスマートフォンとAR技術と、ポケモンという親子2代にわたる人気キャラクターを、Google Mapやモバイルインターネットとうまく組み合わせることによって、短期間に億単位のユーザーが集まるビットエコシステム(ビットエコシステム、ビットプロパティ、ビットコモディティの定義などについては、番外編(その3)の「インターネット時代に必要なのは荒野開拓的発想」を参照)を生成することができた。これにより生まれて来る価値は測りきれない。上述のように1~2年という短期間でも30億米ドルの売り上げが得られるといわれている。ここでは、このような人気キャラクターとインターネットを組み合わせて新しいエコシステムを生成することを「IoC(Internet of Character)」と呼ぶことにする。