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金融機関が知りたいこと

 私が金融機関を訪ねたとき、最初に受ける質問はほぼ決まっています。それは「どのような企業が今後伸びるのか?」という質問です。基本的な回答はこのコラムに記している内容の通りです。しかし、中でも忘れずに話すのが「今後は先行きが全く読めない混沌とした世界に突入する」ということです。

 例えば、大企業であっても急に傾いて倒産する可能性があります。逆に、「マイクロビジネス」や零細企業などと呼ばれるごく小規模の企業が大企業並みの大きな利益を上げるようになる可能性もあります。つまり、企業の規模や資産、売り上げの推移といった従来の物差しだけでは、もはや企業の成長が測れないということです。

 では、今後、さまざまな企業をどのような物差しで測ればよいのか。私は迷わず「技術への投資を行なっているかどうか」で見ることを勧めています。具体的には、

・プロセスイノベーションやプロダクトイノベーションを実施する準備や投資をしているか
・IoTに必要な人材の獲得や知識の習得に向けた教育に投資を行なっているか
・具体的に自社が持つ強みを把握し、それを新しい技術と融合させて新しいビジネスモデルを確立する計画を立てているか
──などといった物差しです。

 この意見に対して否定的な見解を示した金融機関はまだありません。金融機関が企業を見る目がはっきりと変わってきたことを私は実感しています。彼らは大企業もベンチャー企業も関係なく、かつどの業種に対しても同じ目線で見極めようとしています。

 経営者は、真剣に技術と教育への投資を考えないと資金繰りに行き詰まる可能性すらあることを念頭に置いて、2017年度の予算案を作成した方がよいと私は思います。