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危険の事前予知

 ここ数年で人工知能が工場にもたらす最大の恩恵は何でしょうか。私は安全管理だと考えています。工場では以下のようなケースが起こる危険性があります。

・危険な領域に作業者が侵入しようとしている
・作業者が作業手順や分量を間違えている
・工場内で温度やガス濃度などの異常が発生している
・工場内の機械が故障する兆候がある
・工場内に異常音がある

 こうした場合に、人工知能が事前に危険を予知し、通知してくれるようになります。ただし、その通知に対して行動を起こし、確認して、安全かどうかを判断するのは人間です。

 国も産業保全の分野に関しては積極的に支援を行います。そのため、補助金などを活用することで、中小企業でも人工知能を導入することができると考えています。

人工知能を管理するスキル

 ここまで、人工知能によって工場が5年以内にどのように変わるのかについて予測してきました。人工知能の導入により、人間は今よりも身体を動かすことが少なくなり、マネジメントの仕事が増えます。マネジメントを行う人間は、これまでは品質や工程状況などのマネジメントを行なってきましたが、それに加えて人工知能のマネジメントを行う必要があります。つまり、近未来の工場には、同じ作業を黙々とこなす人材よりも、ITシステムやネットワーク、そして人工知能といった技術に強い人材が求められるようになるのです。

 このことはつまり、新たなスキルを持つ従業員が必要になるということ。言い方を変えると、自分で考えることができない人は人工知能に負けて仕事を奪われる可能性があるということです。逆に、新たなスキルを得て、新しい工場に求められるマネジメント能力を持つ人は、人工知能を生かして大きな成果を生み出し、より高い評価を受けると思います。そして、結果的に、人間が危険な仕事や過酷な重労働から離れ、人間らしい内容の仕事をするようになると私は考えています。