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高収益化支援家、弁理士 中村大介
高収益化支援家、弁理士 中村大介
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 最初にこのコラムの説明をさせてください。前回連載させていただいたコラムは、2016年の大河ドラマ「真田丸」にちなみ、「知財で築く真田丸」というタイトルを付けました。

 大河ドラマが放送されているうちは、放送されたエピソードにちなんで知財や経営のことが説明できて良かった。ところが、真田丸が終わって「直虎」が始まると、筆者の大河ドラマへの興味が猛烈に薄れました。新しい大河ドラマ「直虎」は筆者にとっては知識を得るのも知財と関連付けて説明するのも苦労しそうなテーマでもありました。そのため、1月をもって「知財で築く真田丸」を一旦お休みとさせていただきました。

 しかし、大河ドラマ「真田丸」が終わったからといって、このコラムのテーマである知財と技術経営が終わるわけではありません。それどころか、半年間のコラムの休みで得た時間でいろいろと調査ができ、ネタも増えました。それで再開することになったのです。

 2016年は、知財をメインテーマとして技術経営に関するトピックも取り上げました。読者の関心が高かったのは、どちらかと言うと技術経営に関するトピックでした。そのため、このコラムの再開に当たってタイトルを少しだけ変えて、知財だけでなく技術経営に関するトピックを取り上げたいと思っています。加えて、「全員経営」というキーワードも入れました。この全員経営という言葉は、個人的にすごく好きです。全員が経営者という意識を持って仕事をするという意味を込めています。

 トピックが広がる「真田丸2」を、ぜひお楽しみ下さい。

エンジニアの働き方改革はどうあるべきか?

 政府を中心に議論されている「働き方改革」が、毎日のようにメディアを賑わせているようです。政府を中心に企業を巻き込んで働き方を変えようという動きです。私の記憶では、日本は労働生産性(時間当たりの付加価値)が低い国の1つです。日本と同じ技術立国であるドイツと比較した場合、1人当たりの国内総生産(GDP)は遠くドイツの後塵を拝し、労働生産性も同様です。つまり、日本人はドイツ人よりも長時間働いて低い賃金しかもらえていないのです。

 長時間労働を危惧し、働き方改革以前に「ノー残業デー」を実践してきた会社は多いと思います。私の関わる会社でも「◯曜日はノー残業デー。それ以外も20時消灯」といった制度を導入している会社のことをよく聞きます。

 ノー残業デーで面白いエピソードがあります。ある企業の研究開発部門は、研究開発を活性化するために米3M社で実施しているような「◯%ルール」を導入しています。ところが、ノー残業デーの影響で、制度を主導する企画部門担当者が「◯%ルールを導入しても使ってもらえない」とこぼすのです。研究開発者の感想を聞く機会もあります。人事部主導で導入されたノー残業デーには強制力があって従わなければならないため、研究開発者は「したいことはおろか、しなければならないことも十分できない」と嘆いています。

 働き方改革以前に、こうしたノー残業デーのことをよく耳にしてきました。その時から今に至るまで、この動きには違和感を覚えていました。働き方を変えるどころか、上記のように意欲的な人を働けない状態にしてしまう側面があるからです。