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日本は要素技術をたくさん持っている

ローランド・ベルガ― 代表取締役社長の長島 聡氏.
ローランド・ベルガ― 代表取締役社長の長島 聡氏.
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桑島氏:長島さんが今後目指していることを教えてください。

長島氏:日本の製造業に対しては、もうイノベーションどんどん生んでほしいなと思います。生む力はすごいある。一番すごいのは要素技術が強いということですよ。世界の中で一番要素技術をたくさん持っている。逆に言うと、ありものの要素技術もたくさんあるけれど、日の目を見ないものだらけ。理由はそれがあることを誰も知らないから。でも、こんなに要素技術が使える、ピカっと光る要素技術の密度が濃い国はないですよ。その要素技術が使えていないっていうのは、ダメですよね。

桑島氏:その要素技術を吸い上げるためにLMSが使えるということなんでしょうか。

長島氏:吸い上げるのではなく、交流の場を作れると思っています。

桑島氏:あとは、ビジョンの話ですよね。さっき指摘された、何かを始めようという意思のもう1個手前の問題で、何を実現したいというのがないとできない、という。

長島氏:それは自分の周りに武器があると、大きいビジョンか小さいビジョンかは別としても、こんなものが使えるんだとなれば、ピッと浮かびますよ。立場が上の人は上の人で、また違う刺激に対してピッと浮かぶ。大事なのは、それがたくさんあることだと思います。ジョブスみたいなことはできないかもしれませんよ。だけど、いろんなものが常に周りにある状態を生み出せれば、そのビジョンなり、新しく生み出したい価値なり、自然と考える人の数は圧倒的に増えるはずです。

桑島氏:かねがね思ってきたんですが、日本の停滞ってつまるところ、企業の組織の問題だと思っています。「戦後」と一括りにするのはちょっと乱暴かもしれませんが、ざっくり言えば、日本の製造業は、全てではないですが多くは戦後同じときにわーっと出てきて、それが今、皆同じ時期に高齢化している。だから、どの企業のどの研究所に行っても、同じような話になる。事業部はダメだとか、事業化をあきらめたとか。同じ組織の問題が山のように、日本中にあるんだろうなと思ってしまいます。

長島氏:そこに関して、私の考えは若干違うんですよ。そんな問題あるのかって感じています。

桑島氏:おおー、新しいですね!

長島氏:なんでそんなに、皆問題だ問題だとか言って、ああだこうだ議論しているのかと。変な話ですけれど、新しいことを考えないから、そういう問題ばかり目につき、自虐的になってるだけなんじゃないか、という感覚です。みんなで悲観的になっているからダメなんであって、本当は結構使えるんですよ。周りに何か、使えそうな武器があったら、そんな自虐的になるわけがない。面白いって思い始めたら、回っていきますから。能力のある人たちの塊と思った方がいいですよ。

桑島氏:それ面白いですね。暇なことが問題なんですね。

長島氏:そう、暇なこと。あと、自分のところの話しか、耳に入ってこないこと。日々、面白いっていう感覚がない。

編集部:大企業で、50代以上の人員について、別にクビにしたいわけじゃないんだけど、ちょっと目の前からいなくなってくれれば…なんて話もあるらしいんですよ。その人たちがいるから暗いって思っているわけです。従来の仕事からちょっと離して、別の仕事を与えること自体がビジネスになるのではないかという話もあります。そういう方向性ってあり得るんでしょうか。

長島氏:あるでしょうね。そこまで大げさでなくても、例えば10社、新たに面白い会社を連れてこいとか、そんなことをやらせるだけでも全然違いますよ。そのぐらいの方々だったら、名刺を持っていれば会ってくれるじゃないですか。その人自身、そういう会社に行けば刺激を受けますし、いい会社を連れてきたら、もうそれでヒーローになりますしね。

 いろいろな場にとにかく出て行って。まあ、最初は何か失敗するんですよ。自分が今までの組織でやってきたことが通じなくて。「分かりました、ありがとうございます」って二度と続かない訪問になったりとか。そういうことが起きるんですけれど、それがちょっとでも成功し始めると盛り上がってきますよね。10人がそういうことをやったら2~3人はそれができる人たちになると思いますよ。

桑島氏:何らかのミッションを与えることが大切なんですね。「この人はできない人だ」とデフォルトで決めてしまうのではない、と。

長島氏:違います。絶対に、ミッションを与えたほうがいいです。刺激なんですよ。今までの常識とは違うことが必要だと思います。