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日本の要素技術はなぜすごいのか

桑島氏:最後に、日本人へのエールをお願いいたします。わかるようでわからないのが、日本の中小企業はすごいとか、要素技術がすごいっていうのは、半分カタルシスみたいなところがあるような気がしているんです。実際、恐らく本当にすごいのだと思います。でも、何が結局すごいのか、なぜすごいのか、というのがはっきりしない。

 僕は、そのなぜすごいのかという問いに対して、良くも悪くも閉じた系列みたいなものが、同じ業界内で複層的にあり、それがいろいろな業界にあった点が大きく影響しているのではないかと思うんです。同じことをやるにしても、いろいろな中小企業が重層的に、閉じた系列が多数存在することによって、全国に広まった。だから、ありものの中でも競争があって、技術が磨かれた。

 同時に、良くも悪くも日本の中で閉じて、オフショアリングもされなかったし、ある意味“下請け根性”みたいなものが培われ、新たな要求がきて鍛えられ、それが残っている。それで多くの要素技術が生まれた。だけど系列だったから閉じていて外に出て来なかった。だからたくさん要素技術があるんだけれど、表に出ないという状況になっているのではないか、と。

長島氏:「なぜ」っていうのは簡単で、お金をもらわなくてもやり続けたい人たちがたくさんいるからじゃないですかね。極めることが大事、みたいな。それしか考えていない人たちがたくさんいて、やり続けている。過剰だと言われてもやるんですよ。好きですけど変な人たちなんですよね、たぶん日本人って。さらに変わっているのが、お金もらわなくてもいい、っていうのがあるから、有名になる必要もない。

 だから系列に閉じているとか閉じていないとか、あまり全然関係ないんですよ。俺のこと見つけてくれて、使ってくれたらありがとう、なんですよ。儲かろうが儲かるまいが関係ない。よく探したね、わかる人にはわかるよね。そんな感じですよね。でも、このままでは本当にもったいないと思います。とにかく流通させたいと考えています。

長島氏との対談はこれで終わりです。ありがとうございました。
長島氏との対談はこれで終わりです。ありがとうございました。
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過去の長島氏との対談はこちら。
第1回 考える凡人集団だから日本企業に勝機がある
第2回 「インダストリー4.0」に秘められた、本当の狙い
第3回 だから日本ではオープンイノベーションが進まない