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 サッカーのイギリスプレミアリーグで、日本代表フォワード岡崎選手が所属するレスターシティが奇跡の優勝を果たしました。海外移籍した日本人のスポーツ選手たちの動向は、米国のテレビなどで見られることは少ないですが、Webのニュースなどでいつもウオッチしています。正直なところ、日本国内の政治情勢などよりずっと気になる話題です。

 筆者も製造業の世界で2002年に「海外移籍」しましたので、どこか自分と重ね合わせて見てしまう部分があるのかもしれません。もっとも筆者の場合は、製造業の受発注ピラミッドの一番上ではなく、サッカーで言えば4部リーグくらいから始めて、海外移籍後14年かかって最近2部までやっと上がったような状況です。J1や日本代表の実績を持って海外1部リーグへ移籍するような華々しさは願うべくもありませんが…。

新入りに冷たい海外企業

 今から1カ月ほど前に「岡崎が明かした『日本人がプレミアで活躍する条件』」(東京スポーツWebサイト2016年4月20日付)という記事が出ました。その中で岡崎選手が語った「自由にやらせてもらっている。その分、考えないといけない」「どう動いて周りと連係するとか。全てが自己責任なんで大変」「いかにして自分のストロングポイントを試合中のプレーに落とし込めるか」などのセリフが、今の職場で自分が置かれている状況と非常に似ていて印象に残っています。

 いずれも、監督や周囲から言われたことをまじめにこなせば評価してもらえるということではなく、そもそも何をすべきかから自分で考えなければいけないという状況を表していると思います。

 企業で言えば、組織やグループの長であれば「何をするか」の判断に責任を持つのは当然としても、移籍した直後で実績も部下もいない状態では、早く新しい組織に馴染めるように周囲が色々と指導してくれるのが(日本では)普通ではないでしょうか? しかし筆者の知る限り、米国では既存社員の多くは新入りにあまり優しくありません。総じて言うと、チームの一員として新しいメンバーに早く戦力になってもらいたいという意識よりも、逆に一個人として将来自分のライバルになるのではないかという警戒心の方が何倍も大きいように感じます。これも、正社員といえどもいつでもクビになる可能性が現実のものである環境ならではのことでしょう。

 一般の企業ですらそういう雰囲気なのが海外ですから、チームの人数がはっきり決められているサッカーなどの世界ではなおさらだと想像します。そういう中でレギュラーポジションを確保したり存在感を発揮したりするには、自分のストロングポイントをどう生かして何をするかを自分自身で真剣に考え抜かなればなりません。岡崎選手も、同僚や先輩どころか監督(上司)すらほとんどアドバイスしてくれない中で、「ここだ」と思った場面では強引に前に出て行って結果を出すことを少しずつ繰り返していったのだと思います。