欠点を克服

 ただし、E級動作のコンバーターやインバーターには、大きな欠点がある。負荷電流が定格時にはE級動作を確保できていても、負荷電流が減少して軽負荷状態に変わるとE級動作を維持できなくなることだ。DC-DCコンバーターでは、負荷電流の変化は日常茶飯事だ。これに対応できなければ実用性は乏しい。

 同氏は、この問題を解決するため、開発したアルゴリズムを活用した。例えば、横軸にスイッチング周波数を、縦軸にデューティー比をとった平面を作成し、スイッチング周波数とデューティー比の全組み合わせにおいて、E級動作が成立する組み合わせ、ZVS動作などが成立する組み合わせを求めた。こうすることで、E級動作マップを作成した(図3)。これを利用することで、定格出力時にはE級動作、軽負荷時には損失が若干増えるがZVS動作に移行するといったDC-DCコンバーターを設計できるわけだ。

図3 E級動作マップ
図3 E級動作マップ
(a)は、横軸に共振キャパシター、縦軸にシャントキャパシターをとった場合のE級動作マップ。○の位置であればE級動作を実現できる。さらにCase2はZVSを実現できるため、その領域で動作するようにパラメーターを設定すれば、高効率な電源回路を実現できる。(b)は横軸にスイッチング周波数、縦軸にデューティー比をとった場合のE級動作マップ。○と□の位置でE級動作を実現できる。
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 このE級コンバーター/インバーターの設計技術は、無線電力伝送技術にも応用できる。DC-ACコンバーターとAC-DCコンバーターをコイルで結合させ、コイル間の距離を広げた構成が無線電力伝送だからだ。今後同氏は、6.75MHzや13.56MHzを利用するGaNパワーデバイス採用の無線電力伝送の開発も本格化させる。

<参考文献>
関屋大雄,「E級スイッチング回路と高周波無線電力伝送システム」, 電子情報通信学会, 特別講演, EE2017-19, 2017年7月.