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 もっと安くしないと買ってくれないのではないかという思い込みで値下げに走るのは、まさに相場が雪崩を打って下落するときの投資家心理と同じ。われ先に、わずかな現金を求めて投げ売りするのと同じことなのです。もしそうならば、それは悲劇と言わざるを得ません。利益を無視、いや、利益を出してはいけないというビジネスが、この世に存在するでしょうか。自分に利益が出れば、周囲がどれだけ損してもいいという経営者がいるとして、本当にその経営者は幸せになれるでしょうか。

 悲劇は、観劇の世界だけで十分です。人は他人の不幸や悲しみに学ぶことはありますが、それを強いる者が幸せになるとしたら、それはまっとうな社会ではありません。

 私たちはそろそろ、この悲劇の世界から脱却しなければいけません。「物も心もむしばむようなコスト競争という悲劇から脱却し、皆が豊かで幸せになるような社会を、パワーデバイスを通じてつくる」。これが、パワーデバイス・イネーブリング協会が目指すところです。より良い社会をつくるために、今こそ、互いに手をつなごうではありませんか。

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役、日経BP『リアル開発会議』 アドバイザー、パワーデバイス・イネーブリング協会 理事

大学在学中の1970年、開発設計の受注を契機に創業。1988年にシステム・インテグレーションを設立し代表取締役に就任、現在に至る。新事業開発のプランナーとして、事業の枠組みから製品の具体的仕様、販売計画に至るまで総合的に手がけ、3000件を超える開発実績を持つほか、現在までに、延べ約800社を超える企業の技術顧問を務めている。日経テクノロジーオンラインでコラム「開発原理」も連載中(詳細はこちら)。