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——ここまでの取り組みに関する成果は。

伊賀 少し時間がかかったが、今年(2017年)の5〜7月にISO 9001およびISO/TS 16946を絡めたIEC 60749-43ができる予定。これができればWTOのTBT協定に基づき、ユーザーとメーカー側はこれを使わなければならないといったかたちになる。半導体業界にあるJEDEC規格やAEC Q-100などは、フォーラム基準や業界団体基準であり、ISOとIECとはまったく性質が異なる。フォーラム基準は地域ごとに異なっており、微妙にスペックが異なるなど、グローバル市場では課題が残る。今回、こうした国際標準ができた意義は大きい。

 また、ISOの場でも標準化に取り組んでいる。具体的には半導体の安全性だ。今から10年前の「SEMICON West」の標準化ワークショップで、模造品対策が大きな議題として浮上した。ただ、壊れるだけなら問題ないが、防衛・軍需関連では模造品が大きなリスクとして認識されている。

——具体的にはどういうことですか。

伊賀 簡潔にいうと、テロに対するリスクだ。設計回路にテロ行為のようなものが設計されれば、一定の時間・場所で発動し、大きな被害となることが米国側から指摘された。軍需に関わらず、医療や自動車分野など人命にかかわる部分については、模造品対策を徹底的にやろうということになり、流通段階で模造品が混入しないよう、未然に防ぐことができる企業リスト(ホワイトリスト)の作成など仕組みづくりに取り組んだ。

後編へ続く)

■変更履歴
伊賀氏からの申し出により、伊賀氏の定年退職後の活動内容に関する記述を変更いたしました。