PR

【正解】

 (3)

【解説】

 静電気耐圧試験は信頼性試験の一種である。信頼性試験は、半導体デバイスが出荷後に様々な環境において機器寿命まで使用される間、所期の性能を発揮できることを確認するための試験であり、想定される種々のストレスを模擬したり加速したりして印加するものである。

 静電気耐圧試験は、電子機器の動作に対して様々な影響を与える静電気放電(ESD:Electrostatic Discharge)に対する耐性を試験するものである。その試験方法は様々な国際/国内組織によりほぼ同様の形で規格化されている。現在適用されている試験方法としては、人体モデル(HBM:Human Body Model)、マシンモデル(MM:Machine Model)およびデバイス帯電モデル(CDM:Charged Device Model)の3種類がある。

 HBMは人体がデバイスに接触することによる静電破壊を想定したモデルであり、最も一般的な試験方法として用いられている。マシンモデルは、帯電した金属製の製造装置がデバイスに接触することによる静電破壊を想定したモデルであり、製造装置自動化の進展を背景に規格化された。デバイス帯電モデルは、摩擦などにより帯電したデバイスが金属類に接触することによる静電破壊を想定したモデルであり、半導体デバイスの製造過程で発生しやすいフローティング状態を考慮したものである。

 以上の点を踏まえて、各選択肢の正誤について以下に示す。

(1) 不正解
 上記の説明の通り、マシンモデル(MM)は規格化された静電気耐圧試験方法の一つである。

(2) 不正解
 上記の説明の通り、人体モデル(HBM)は規格化された静電気耐圧試験方法の一つである。

(3) 正解
 アレニウスモデルは、化学反応速度の温度依存性を示すモデルで、半導体デバイスの経年劣化による故障のモデル化によく用いられる。

(4) 不正解
 上記の説明の通り、デバイス帯電モデル(CDM)は規格化された静電気耐圧試験方法の一つである。

(解説:群馬大学 畠山一実)

テスト豆知識(その9)

 今回のテスト豆知識は設計(Design)とテスト(Test)に関するお話である。“Design & Test”という雑誌がIEEE Computer Societyから発行されている。この雑誌は1984年に創刊された(2012年までは“IEEE Design & Test of Computers”が正式名称)。手元にある第2号(May 1984)を見てみると、その号の特集は“Linking Design & Test”となっている。当時の事情はよく分からないが、30年以上も前から設計とテストの密接なつながりが重視されていたことを物語るものとして注目に値する。

 また、テスト容易化設計(DFT:Design for TestabilityまたはDesign for Test)はテスト技術の重要分野の一つとして様々なブレークスルーを生み出してきている。DFTというと単にテストのための設計というイメージだが、実際には設計とテストのトレードオフまで考慮して最適化が図られている。そういう意味では、最近時々耳にする“Design with Test”というのは、とても耳当たりの良い言葉である。