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 そこで、勝手ながら、私が定義することにいたしました。くれぐれも勝手ですから、トンチンカンなことを言っているかもしれませんが、どうかご容赦を(笑)。

 私の考えるIoT、それをひと言で表せば「何でもあり」になります。
 何でもありなんてふざけたことを言うなと叱られるかもしれませんが、本当に、まじめに考えてそう思っているのです。
 IoTを解説しておられる方が使う表現の中に「いつでも、どこでも、何でもコンピューター」といったものがあります。これは「いつでも、どこでも、何でもコンピューターでできるようになる」ということですから、言い換えれば「コンピューターで何でもありになる」と言えるのではないでしょうか。
 ただ、私が考える「何でもあり」は、良い意味で何でもできるということだけではなく、悪いこともできるようになる、悪人や弊害も出現する世界です。

 若い頃、羽目を外すようなヤンチャをしたり、褒められることではないことをしたりしたら、「何でもあり」と言って済ませたものでした。そのときは、それこそ笑って済まそうとしたわけですが、大人になって、それも現実の暮らしや事業に悪影響を及ぼすような「何でもあり」は、絶対に許されることではありません。
 しかし、IoTの時代になると、そこを突いてくる「何でもあり」が出現すると思うのです。
 そのような悪いやからをどうやって検出し排除するか、その仕組みが確立されたときが本当のIoTの時代である、と私は思いたい。そして、これを考えていくのが、今回のシリーズの目的でもあるのです。
 そのためのキーワードは間違いなく、IoTを構成するさまざまなハードウエア/ソフトウエア/システムの標準化と不正防止技術であり、そのために、パワーデバイスをはじめとする半導体の品質管理と標準化という命題に、真正面から取り組むことが必要になるのです。

 全6回でお送りする「思考回路III」の第1回は、IoTの本質とそこに潜むリスクについて考えてみました。

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役、日経BP『リアル開発会議』 アドバイザー、パワーデバイス・イネーブリング協会 理事
大学在学中の1970年、開発設計の受注を契機に創業。1988年にシステム・インテグレーションを設立し代表取締役に就任、現在に至る。新事業開発のプランナーとして、事業の枠組みから製品の具体的仕様、販売計画に至るまで総合的に手がけ、3000件を超える開発実績を持つほか、現在までに、延べ約800社を超える企業の技術顧問を務めている。日経テクノロジーオンラインでコラム「開発原理」も連載中(詳細はこちら