
パワーデバイスを安心・安全に使う勘所
目次
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「リードサイクル」って何のこと?
半導体テスト技術者検定問題【問題10】
本稿で紹介するのは、SRAM(Static Random Access Memory)の「リードサイクル」である。LSIに搭載されるメモリーとして、SRAMは一般的に使われている。リードサイクルは、SRAMの格納データにアクセスするための基本サイクルの1つである。
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自己認識
パワーデバイスの未来を描く思考回路 #5
よく分からないことが起こる時代です。大企業が粉飾決算をしたり、大手メーカーが製品の性能データを改ざんしたりと、なぜ、このような事件が続いて起きるのでしょうか。言いたくはありませんが、そんなことをしたらそれまで築き上げた信用や経営基盤をいっぺんに失うという、そんなことも分からない経営者が居るなんて、そ…
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がん治療の最前線とパワーデバイスの深い関係
量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 加速器工学部 野田耕司部長に聞く
IGBTやMOSFETなどに代表されるパワーデバイスは、電力制御・管理を目的とした半導体デバイスの一種である。現在、自動車や産業機器、エネルギー関連機器、鉄道車両向けなどに搭載され、省エネニーズの拡大に伴って、市場が順調に拡大している。さらに、パワー半導体の応用分野はこれら市場にとどまらない。国を挙…
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「不純物半導体」って何が不純なの?
半導体テスト技術者検定問題【問題9】
今回もパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体テスト技術者検定」の過去問題を紹介する。本稿で紹介するのは不純物半導体である。「不純物」というとどちらかといえば悪いイメージになるが、不純物半導体は純粋な半導体単結晶に不純物を添加して作られたものという意味で、特に「不純」というこ…
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「絶縁ゲートバイポーラトランジスタ」って何のこと?
半導体テスト技術者検定問題【問題8】
今回もパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体テスト技術者検定」の過去問題を紹介する。今回紹介するのは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。これは代表的なパワーデバイスの1つで、主としてインバータ用途で広く用いられている。デジタルカメラ、エアコン、冷蔵庫など身近な製品にも…
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友達の輪
パワーデバイスの未来を描く思考回路 #4
最近、SNS(social networking service)という言葉をよく聞きます。インターネットを通して社会的ネットワークを構築するサービスのことで、LINEやTwitter、Facebookなど、SNSを使っていない人を探すのは大変なほど、私たちの身の回りにはSNSが溢れています。それは…
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次世代パワーデバイスの低コスト化のカギは結晶にあり
千葉工業大学 山本秀和教授に「パワーデバイスの実用化に向けた課題と解決策」を聞く【後編】
パワーデバイスの注目度が高まっている。今後、パワーデバイス市場は安定的な成長が見込めるとされており、日本をはじめ、世界の半導体メーカーの多くが注力分野の1つに挙げている。期待される市場成長にはパワーデバイスの低コスト化とともに、性能向上も欠かせず、半導体メーカーの力量が試される。
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シリコンは、パワーデバイスの主流であり続けられるのか?
千葉工業大学 山本秀和教授に「パワーデバイスの実用化に向けた課題と解決策」を聞く【前編】
半導体産業において、パワーデバイスはロジックやメモリーといった華やかなものと異なり、一見地味な存在に映る。しかし、電力変換・制御を主目的としたパワーデバイスへの注目度は年々増している。省エネルギー化の推進に向け、パワーデバイスはパワーエレクトロニクス製品を構成する上で、モーターと並び文字通りキーデバ…
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「マーチングテスト」って行進するの?
半導体テスト技術者検定問題【問題7】
今回もパワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体テスト技術者検定」の問題を紹介する。今回は久しぶりに新作問題である。今回紹介するのはマーチングテストに関する問題。マーチングテストはメモリーの代表的なテスト項目の1つであり、その他の代表的なテスト項目にはウォーキングテストやギャロ…
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「ホットキャリア」って何?
半導体テスト技術者検定問題【問題6】
今回も本コラムにて1/12に公開した記事と同じく、パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体テスト技術者検定」の過去問題を紹介する。今回紹介するのは、LSIの劣化の一因となるホットキャリアである。LSIの劣化の要因としては、ホットキャリア注入(HCI:Hot Carrier I…
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標準化という潮流を考える
パワーデバイスの未来を描く思考回路 #3
国際標準化機構(ISO)という団体があります。スイスのジュネーブに本部を置き、158カ国の国を代表する標準化機関が会員となっています。電気および電子技術分野を除く全産業分野における国際標準化を進める活動をしている団体です。国際標準化活動の重要性が増したのは、1995年のWTO/TBT協定の発効があり…
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パラレル転送方式とシリアル転送方式、どっちがどっち?
半導体テスト技術者検定問題【問題5】
今回出題するのは、インターフェース・デバイスに関する問題である。システム・装置間のデータ転送を行うために接続部分に設けるのがインターフェースであり、パラレル転送方式を用いる「パラレル・インターフェース」とシリアル転送方式を用いる「シリアル・インターフェース」に大別される。インターフェース・デバイスは…
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論理回路を網羅的にテストする、「スキャン試験」って何?
半導体テスト技術者検定問題【問題4】
今回出題するのは、論理回路の「スキャン試験」に関する問題だ。半導体デバイス内の論理回路に対しては、その機能(論理動作)を確認するファンクション試験が必要である。その際、入力データとして”0”と”1”から成るパターンデータを用意する必要があるが、論理回路の大規模化とともに、十分な品質のパターンデータを…
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柱のキズ
パワーデバイスの未来を描く思考回路 #2
季節外れの話で恐縮ですが、ふっと「背くらべ」という童謡を想い出しました。28歳という若さで逝った「海野 厚(うんの あつし1896~1925)」の作品です。歌詞の冒頭で歌われているのが「はしらのきずは おととしの 五月五日の 背くらべ」という、あの歌です。
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「微細化」の法則って何だったっけ?
半導体テスト技術者検定問題【問題3】
今回は本コラムの第1回と同じく、パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が主催する「半導体テスト技術者検定」の過去問題を紹介する。今回紹介するのは、半導体の微細化に関する問題である。半導体はプロセスの微細化とともに集積度が向上するため、トランジスタ当たりのチップ製造コストは減少してきた。一方で…
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信頼性の追求に、半導体産業の未来を切り開く鍵があり
東京大学 VDEC浅田教授に「変わりゆく半導体産業」を聞く【後編】
CMOSセンサーやNANDフラッシュなど、特定分野では今でも競争力を発揮する国内の半導体産業。しかし、ロジックLSI分野では海外メーカーの攻勢にさらされ、世界的な競争力は失われつつある。前回は本コラムにて、研究者という立場から長年、半導体産業を見つめてきた東京大学 VDEC(大規模集積システム設計教…
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日本が半導体産業の中心になれなかった理由とは?
東京大学 VDEC浅田教授に「変わりゆく半導体産業」を聞く【前編】
日本の半導体産業はCMOSセンサーやパワーデバイス、NANDフラッシュなどの特定分野では今でも、国際的な競争力を持つ半導体メーカーが存在するが、「世界の中心であるか」という問いに関しては、首を縦に振ることは決してできない状況だ。現在、米Intel社と台湾TSMC(Taiwan Semiconduct…
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品質に関する重要な概念、「オーバーキル」って何?
半導体テスト技術者検定問題【問題2】
今回紹介するのは、テスト自体の品質に関する問題である。テストは半導体デバイスの品質保証において重要な役割を果たしているが、テスト自体の品質が高くなければ半導体デバイスの品質やコストに重大な影響を及ぼす。今回の問題に登場する「オーバーキル」はこのテスト自体の品質に関する重要な概念の1つだ。
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「はかる」と向き合う
パワーデバイスの未来を描く思考回路 #1
どうも、日本語というのは難しいと言いますか、複雑と言いますか、同じ発音でも異なる意味を持つ言葉が多いようです。「はかる」も、計る、測る、量る、図る、諮る、謀るなどがありまして、漢字で表記して初めて、その意味を理解することができます。
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「故障率」はどんなもの?
半導体テスト技術者検定問題【問題1】
パワーデバイスを安心・安全に使うための勘所を紹介する本連載の第1回は、パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が活動の一環として主催・推進している「半導体テスト技術者検定」で過去に出題した問題を紹介する。問題だけでなく正解と解説を示すので、正答できるかどうかを試していただきたい。仮に正答できな…