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踏み込んだ話し合いができたからこそ

高島 ぜひ導入すべきだと思います。まずオンライン診療は、患者にとっての通院、医師にとっての往診といった物理的な負担を効率化できます。医療リソースが有効に使えるようになれば、結果的に社会全体として医療費削減のコストメリットが生まれます。そしてコスト面ばかりではなく、オンラインによって初診後の経過措置をこれまで以上に細かく知ることができるのは、医療の質の向上につながるわけです。そこに“未来”を感じました。

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 我々は医療が必要な人たちに、確実に医療を受けてもらえる環境作りが何よりも大事だと考えています。そのためには、医療を受ける前の段階から健康づくりを増進することが鍵となります。日常の生活からすべてがつながっているのです。課題があるとするなら、高齢者のITシステム利用。今やパソコンやタブレットの操作に慣れている高齢者も多いとはいえ、90歳のおばあちゃんにとっては難しいかもしれない。できる限りシンプルなシステムを提供する必要があるでしょう。

武藤 福岡市と福岡市医師会の足並みがそろっているからこそ、このような強固なリレーションを築けているのだと思います。ほかの自治体で、行政と医師会が一緒になってこういった新しい取り組みに挑戦している例は聞いたことがありません。

高島 やはりこれまでの歴史もありますし、関係者の皆さんとは定期的に懇親をしていますから。先ほどお話した救急医療機関の助け合いが好例です。福岡市では行政と医療機関の関係が非常に近い。例えば過去には、災害時医薬品のドローンによる配送実験を実施しました。薬をドローンで届ける行為は地域の薬局からすれば、「場所に関係なくドローンで届けられたらたまったもんじゃない」となる。オンライン診療にしても同じで、「地域のお医者さんの立場はどうなるのか」といった声が出てきます。しかしこれらの実証実験は、踏み込んだ話し合いができたからこそ実現できたのです。

武藤 7つの柱には、包括的なコミュニケーションに基づいた認知症ケア技法「ユマニチュード」の推進も掲げられています。認知症患者ばかりではなく、介護職員のストレス軽減も報告されている先進技法ですが、ユマニチュードをどのように捉えていますか。