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認知症患者に優しい街を作る

高島 非常に大きな可能性を感じています。例えば幼稚園の子どもたちに接するときは、自らがかがんで子供の目線に合わせてあげることが大事ですよね。認知症患者に対しても同じです。つまり、認知症患者への適切なコミュニケーション方法があることを知っておく必要がある。介護者が相手のことを大切に考えていてもその気持ちが伝わらずに、認知症患者がパニックに陥ってしまう――これは適切な方法を知らないだけのことであって、実にもったいないと思うのです。

 医療関係者・介護関係者にしっかりとユマニチュードを学んでもらうのはもちろんのこと、将来的には地域住民や子どもたちへの啓発も視野に入れています。いざ家族の認知症に直面したとき、ユマニチュードを耳にしたことがあれば真剣に学んでみようという気づきにつながるはずです。

 いずれにせよ認知症は、これからグローバル規模の課題になっていきます。福岡市ではバリアフリーやIoTといったハードの側面、人的なネットワークといったソフトの側面で見守りを強化し、それらにユマニチュードを組み合わせて認知症患者に優しい街を作っていきたいのです。

武藤 なるほど。私も認知症患者を診察する機会が多くありますが、ユマニチュードのようなスキルを身につけることで、今以上に認知症に関する理解が進むのでしょうね。その方法が上手く行けば、さらに理解の輪が広がっていく。

高島 はい。そういう意味でも介護する側・される側、双方にとってユマニチュードを広げていくのは幸せなことだと感じています。おそらく全市レベルで展開しているところは世界中にもないでしょう。福岡市が率先してチャレンジしてエビデンスを重ねたり、指導の動画を蓄積したりして、ほかの都市の参考になるのが理想です。

武藤 そうですね。我々がやっているオンライン診療でも、家族で認知症患者を抱えて大変な方が数多くいらっしゃいます。動画を通じてユマニチュードを学ぶことができれば、オンライン診療と組み合わせてオンラインでのアフターフォローも一緒にできると思います。

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