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医師は垣根を越えた連携のリーダーに

武藤 最後に、これからの医療を担う人材についてお聞きします。先ほどお話されたように、医師だけではなく統計学や数学分野に強い人間も今後関わっていくと考えているのですが、どのような人材が必要だと感じていますか?

永井 医療に従事する者にとって、いかなる経験も無駄になりません。若いときは狭い分野で仕事をする方が多いと思いますが、どんな領域であっても先端を探求している研究者や臨床医が何を考えているのか理解する、できれば自分も経験してみることが大切です。その経験を基にして、次第に幅を広げていくのがよいと思います。

 医療システムは社会的共通資本ですから、他人との触れ合いや社会と協働を苦に思わないことが大切です。自治医科大では「地域医療だけではなく地域社会のリーダーにもなれ」と教えています。そのために学ぶべきことはたくさんあります。

武藤 私は一度医療からビジネスに入り、そしてまた戻ってきましたが、つくづく「医師で良かったな」と感じます。

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永井 医師は人生で多くのことを経験できます。しかし情報化時代では、医師でなくても膨大な情報を集めることができるようになります。これからは社会全体が参加してそれらの情報を体系化し、より良い医療を提供する必要がありますが、その時に医師は中心的役割を担うはずです。そうした垣根を越えた連携のリーダーとして活躍してほしいと思います。

武藤 そうですね。チームの中にいろんなプロフェッショナルがいて、その中で医師が大事な役割も果たすこともあれば、自分たちが知らない知識や経験については他の人たちがフォローする。その団結力が価値を生み出す時代になると感じます。