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一次から四次までをつなげると…

 空間の場合、縦・横・高さという3つの座標で表す三次元に、4つめの座標となる時間を加えたのが四次元となる。それと同じように、一次・二次・三次という産業の次元に、VR/AR(仮想現実/拡張現実)という四次元の産業が出現したと、私は思っているのである。

 分かりやすい事例で説明しよう。

 昔、図面は製図板という板の上で描いていた。例えば直角の線は、T定規と呼ぶTの字形の定規を使っていた。それが、コンピューターで作図できるようになり、マウスの操作だけで図面を描けるようになったときにはビックリしたものだ。今では三次元の図面が当たり前になり、マウスの操作でワークを拡大/縮小することはもとより、ひっくり返したり転がしたりすることも容易にできるようになっている。

 そこに、私は四次元の世界の始まりを見たのである。ひっくり返したり転がしたりするその先には、ワークに人が侵入したり、本来見えるはずもない情報が一覧できるVR/ARがある。このような技術やシステムを使う産業が四次産業なのだ。

 そして、それはもう始まっている。

 簡単なヘッドマウントディスプレーやメガネを着けた人が三次元の画面の中に入っていき、そこに見える物の横を通ったり下をくぐったりできるのである。

 また、まだ完成していないクルマの運転席に座り、あたかもクルマを操作することができるシミュレーターもある。本物を作らなくてもそのクルマの操作性が体感できるのだから、その体感だけで買ったつもりになり、本物のクルマに乗る必要がなくなった――ということもあるかもしれない。

 それはすなわち、VR/ARは物ではないが商品であることに違いはないということになり、1回の体感に対して価格を付けられることになるのではないか。

 既に四次産業化は始まっていて、今は、一次から四次までをつなげて一体化した十次産業の時代になりつつあるのである。

 先に書いた六次産業に邁進している事業者は、この四次産業を取り込んで、間違いなく十次産業化を目指すことになるだろう。そのとき、彼らと一緒にやるのか、はたまた敵対して消耗戦に陥るのかというと、答えは前者に決まっている。

 さあ、六次産業化した事業者と手を組んで、十次産業というこれからの産業を創ろう。

 そして、世界初の十次産業立国を目指そうではないか。資源の少ない我が国が、VR/ARという新しい産業を興して世界に展開するのである。

 想像するだけでもワクワクするではないか。いや、これこそ現実にしよう。