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 ちゅらっぷすの成沢理恵です。このコラムではゲームプロデューサーの私が業界の様々なプロと対談しながらソーシャルゲーム(ソシャゲ)の秘密に迫ります。今回からのゲストは、ゲームの運営に特化したゲームサービス事業で著名なマイネット代表の上原 仁氏です。他社が開発したスマートフォンゲームを買収したり、協業したりして運営を引き継ぎ、発展させていく事業で業績を伸ばしており、2015年12月に東証マザーズに上場を果たしています。

 上原氏が率いるマイネットは、こうした「ゲームサービス事業」のパイオニアであり、国内最大級の事業者です。今回はまず、ゲームサービス事業とはどんな事業なのか、なぜそのような事業に行き着いたのか、そのあたりからお話を始めました。

上原氏と著者
上原氏と著者
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ゲーム業界なのに「作らない」、なぜこの事業なのか

 私も長くゲーム業界に属しておりますが、会う人に必ずといっていいほど「何を作っている人なんですか?」と聞かれます。つまり、「何かを作ってる」のがこの業界の一般常識にあるんですが、上原さんのマイネットは他社のゲームを買収して運営に徹する事業です。つまりゲーム業界なのに「作らない」。なぜ、そのような事業を手掛けようと思ったんですか?

上原氏 「それを説明するには会社のこれまでをお話しした方がよさそうですね。マイネットは今年で創業11年目になります。最初に手掛けた創業事業は、ニュースコミュニティ、今で言うニュースキュレーションでした。当時はスマホもなかったので、パソコン向けでしたが、ユーザーが集めてきたインターネットのニュースに、みんなで投票したりコメントしたりする そのようなサービスでした。当時は「ソーシャルニュース」などと言われていて、国内で最初のサービスでしたね。その後も含めますと、ゲームもありますしゲーム以外もありますが、合計10個くらいのサービスを作ってきた会社です」

 コンテンツは「作らない」けど、サービスは「作ってきた」わけですね。その延長上に、現在のゲームサービス事業があるのでしょうか。私を含めて、ゲーム業界の大多数はこのコンテンツを「作る」側です。なので、「作らない」の意図がすごく気になります。そのあたりをもう少し詳しくお聞きしたいです。