
工場力強化の達人 古谷賢一の 強い工場の育て方
目次
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現場をきれいにすれば、工場に「流れ」ができる?
第10回 「整頓」の効果
前回、工場に流れをつくる方法として、「5S」のうちの「整理」が極めて有効な手段であることを紹介した。加工の職場でも組み立ての職場でも、今の生産に必要なものだけを供給すること。そして、生産の進捗とともに次に必要な物を順次供給していくことがポイントだ。そのためには、生産現場を「要るもの」だけにする整理…
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工場に「流れ」をつくれていますか?
第9回 生産現場に要る物だけを置く
「物が流れる工場を目指すべきだ」。私がこう指導すると、次のように反論されることがある。「物が流れる工場とは、コンベヤーで流れ作業をしながら大量生産をしていたひと昔前のものづくりの考え方だろう」と。確かに、今の時代は「多品種少量生産」が多い。かつてとは違い、コンベヤーで物が次々と流れる、絵に描いたよ…
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工場は「川の流れ」のように
第8回 資金効率のために生産現場ですべきこと
経営に貢献する工場の姿として、「物が流れる工場」というキーワードを本コラムでは挙げている。物の流れを良くするためには、何をしなければならないか。ものづくりのプロセスだけではなく、サプライチェーン全体でムダやロスをなくす必要がある。
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工場は利益さえ出していればよいのか?
第7回 最大のアウトプットを最小のインプットで生み出す
工場運営をしながら日々「改善」を進めるには、管理のための適切な評価指標が必要だ。さまざまな評価指標が活用される中で、設備総合効率など設備視点での生産性指標や、作業効率など人視点での生産性指標は特によく使われている。不良率や直行率といった品質指標など、QCDに関する評価指標もよく使用される。
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受注生産の工場に在庫はやむを得ないか?
第6回 どのような工場でも「あるべき姿」を目指すべき
前回、「強い工場」の定義の1つとして「経営に貢献する工場」というものを紹介した。繰り返すと、工場にとっては、経営に貢献すること(すなわち利益への貢献)と同時に、キャッシュフローへの貢献も重要な責務だ。そのためには、ものづくりの「あるべき姿」を追求しなければならない。まず、「原材料投入から製品出荷ま…
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工場の「あるべき姿」とは何か
第5回 経営に貢献する強い工場
さまざまな視点があるだろう。だが、本コラムの基本テーマである「強い工場」とは、「経営に貢献する工場」と言い換えられると思う。これは単に狭義のコストダウン、つまり製造原価の低減にとどまるものではない。新しい商品やサービスをより効率よく生み出せるという攻めの側面もある。また、キャッシュフローに貢献する…
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「我が工場をこうしたい」と言えますか?
第4回 工場の力を発揮させる方法
工場の力を十二分に発揮させることができるか否かは、工場長をはじめ管理者の腕にかかっている。このことは論をまたないだろう。たとえ1人ひとりの従業員のスキルが高くても、それぞれが違う目標や価値観を持ち、ばらばらの方向を向いていては工場の力を存分に引き出すことができない。大勢の従業員の目標や行動の「ベク…
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管掌範囲が広がっても、きちんと管理できますか?
第3回 専門外の分野の管理方法
ものづくりの工場はもちろん、あらゆる分野の管理者が抱える共通の悩みがある。それは、役職が上がるにつれて、自分の専門外の分野でも管掌していかなければならないことだ。一方で、いくら努力をしても人間の能力には限界がある。では、どうすれば自分の専門外の分野であっても管理者としての役割を果たすことができるの…
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管理者なのに担当者の目線になっていませんか?
第2回 生産現場と経営課題のトレードオフへの対処
前回(第1回)は、管理者が管理者としての仕事ができていない理由をテーマに掲げた。そして、そのうちの1つとして「管理者としての役割をきちんと認識できていないために、適切な仕事の配分(組織としての適切な分業化)ができていない」という理由を取り上げ、問題点や対応策を解説した。限られた時間と労力の中で日々…
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管理者が管理者として機能していますか?
第1回
今、「工場の現場力が落ちているのではないか」という声が、業種を問わず、多くの日本企業から上がっている。「最近の若い連中は…」というお決まりの言葉で、幹部やベテランが、現場を切り盛りしている中堅や若手の実力の低下を嘆くことも珍しくない。しかし、本当の原因は中堅や若手の能力が低いからではない。私は、も…