工学研究の動向とシーズ

 慣性センサー計測の誤差対策として、カルマンフィルタを応用した加速度+角速度+地磁気によるセンサー・フュージョンを挙げておく。秋田大学では、スキーおよびスノーボーダーのターン動作(約20秒間)を動力学解析し、良好な結果を得た。この技術を応用すれば、光学式モーション・キャプチャーの短所を補う計測システム開発が可能だろう。

 ラグビーを対象にする工学研究について、佐世保工業高等専門学校は、コンタクト動作の運動評価システム開発を目的に、慣性センサーによるヒット動作の動力学解析を行った。動力学解析とは、剛体リンクモデルの運動方程式に基づく解析で、各セグメントに装着した慣性センサーの信号から、各関節にかかるトルクを算出する。コーチやプレーヤーの視点でこれを見ると、身体の使い方で何が重要か、どこの筋肉を鍛えるべきか、などを理解できる。

 工学は科学法則を人間生活につなげる(役立てる)学問である。機械工学によりスポーツ科学のニーズを解決し、日本ラグビーの勝利に貢献したい。