石渡 例えば、ジェットコースターに乗ったとき、ガタンガタンと上がっていって、最初にファ〜っと落ちる感覚があるじゃないですか。あれを体験するような映像は分かりやすいですね。苦手な人は、VRなのにイスから転げ落ちちゃうんですよ。それぐらいの体験が脳みそを刺激するというのは、相当なものになるのではないかと。

 これは、スポーツビジネスにも応用できると思います。もしかしたら、Jリーグの試合で意外なところにカメラを置いて、その映像をVRで体験しながら“観戦”できるようになるかもしれません。

 技術的なところでいうと、ドイツのアディダス社がボールに360度カメラを入れたいと構想しているそうです。実際の試合に使うには技術的に解決しなければならない点は多いと思うので何年かかるかは分かりませんが、いずれ実現すると思います。そうした試みで、スポーツ観戦のエンタメ性はこれまで以上に増すでしょう。すると、きっといいことがあると思うんですよ。あとは、「その映像をどうやってマネタイズするか」ですよね。

―― なるほど。ボールの視点で試合を見られるわけですか。パブリックビューイングの映画館でVR端末を装着してサッカーの試合を観ると、実際にスタジアムにいるような感覚で観戦できる。そんなイメージのサービスも可能になりそうですね。もしかしたら、スタジアムでリアルに観戦するよりも面白いことがあるかもしれません。そうなると「もう一つのスタジアム」です。

石渡 そうなると思いますね。

―― VR端末対応のゲームを2作品投入したのは世界でも初めてなんですか。

石渡 米Oculus VR社のVR端末「Oculus Rift」と同時発売されるローンチタイトルは20作品と言われていたんですが、実際は30作品出ています。そのうち一気に2作品を出したゲーム会社は世界でもコロプラだけです。「結構、本気でやっています」ということですね(笑)。

コロプラのオンライン対戦可能なVRテニスゲーム、「VR Tennis Online」(画像:コロプラ、(c)2016 COLOPL, Inc.)
コロプラのオンライン対戦可能なVRテニスゲーム、「VR Tennis Online」(画像:コロプラ、(c)2016 COLOPL, Inc.)
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―― いろいろなところを取材するんですが、コロプラは会社に入った瞬間から受付に巨大モニター(4Kディスプレーを21枚つないでいる)があり、ワクワクする雰囲気ですね。

石渡 エンターテインメントは、どんなにロジカルに積み上げても面白くなかったらダメだと思います。理屈だけでは、人をワクワクさせて、楽しませることはできませんよね。人間は機械ではありませんから。

―― そこはロジカルとか、理屈を超えたところにあるんですね。

石渡 働いている人たちが自分でワクワクを感じられるということは、とても大事だと思います。