リオ、そして東京で期待される奮起。そのための課題とは?

 大会最終日には50社120名の報道陣が訪れ、この日の試合の様子は当日のニュースでも大きく報道された。この日は3666人の観客が訪れ、会場には大きな日本コールが巻き起こった。その歓声に後押しされた男子チームは3位決定戦で韓国を破り、見事リオデジャネイロ・パラリンピックへの切符を手にすることに成功。リオでは、男子の過去最高成績である7位以上、そして初のメダル獲得を目標として戦うことになる。この目標を達成することは、2020年の東京パラリンピックに向けても大きな意義を持ってくる。

 しかし、車いすバスケには課題もある。その一つが、競技環境の問題だ。

 残念ながら出場権を逃した女子日本代表の橘香織ヘッドコーチは、大会の敗因、そして今後チームの強化のために必要なものとして「時間」を挙げた。

「私たちの成長を超えるスピードで他国が成長していることを感じた大会でした。日本の選手やスタッフは、時間やお金、価値観といった自分たちの持てるものすべてを捧げてくれたと思っていますが、それでも私たちには『バスケットボールに費やす時間』が足りていない。今後さらに成長していくためには、選手たちが安心してバスケットボールに打ち込む時間を確保するための取り組みをしていかなくてはならないと思っています」

 日本障がい者スポーツ協会でも、この点を課題として捉えており、2020年に「日本代表選手の80%以上が企業などからのアスリート支援」、2030年には「日本代表選手の100%が企業などからのアスリート支援」を受けることを目標として掲げている。ここにきて、実際に支援に動き出している企業もある。

 例えば、今大会を特別協賛として支援した三菱電機は、2013年末に「2020プロジェクト」を立ち上げ、障がい者スポーツの普及振興や、日本車いすバスケットボール連盟の公式スポンサーなどを務めている。大会の協賛となったサントリーでは、2014年から「チャレンジド・スポーツ支援」というプロジェクトを立ち上げ、車いすバスケやほかの障がい者スポーツの選手に奨励金を出し、強化育成をサポートしている(両社の取り組みについては、後日詳しくレポートをする)。

 開催まで既に5年を切った東京パラリンピックに向けて、車いすバスケ、そして障がい者スポーツがどのように発展を遂げていくか。この動きを注視していくことは、スポーツ界にとってだけではなく、産業界にとっても大きな意義を持つだろう。

 このシリーズでは、「車いすバスケットボールを支える人たち」をテーマに、これから複数回に渡って同競技に関わる人たちをレポートしていく。

次回に続く

リオパラリンピック出場を決めた男子日本代表。1988年ソウル大会、2008年北京大会での7位を超えられるか、注目が集まる
リオパラリンピック出場を決めた男子日本代表。1988年ソウル大会、2008年北京大会での7位を超えられるか、注目が集まる
[画像のクリックで拡大表示]