3つのステップで超福祉をもっと身近に

 超福祉展の軸となるのが、8/(ハチ)で開催される、プロダクト展示とシンポジウムだ。シンポジウムは毎年、福祉の枠を超えた多彩なゲストを招いて行われる。今年は最終日の11月13日までの7日間で、29のシンポジウムを開催。超福祉を、さまざまな角度や視点で語り、来場者と共に考える。オープニングセレモニーの第2部では、シンポジウム・展示に参加している企業・団体の関係者が登壇し、参加への思いを語った。

 例えば、点字と墨字を組み合わせたフォント「ブレイル・ノイエ」と、「ボディシェアリング」を実現するコミュニケーションツール「NIN-NIN」の2つを展示する発明家の高橋鴻介氏は、「晴眼者と視覚障害者両方が使える文字があれば、そこにコミュニケーションが生まれるのではないか」とブレイル・ノイエの誕生の経緯を語った。NIN-NINについては、11月10日と11日に体験ツアーを実施する。

発明家の高橋鴻介氏
発明家の高橋鴻介氏
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一般社団法人PLAYERSのタキザワケイタ氏
一般社団法人PLAYERSのタキザワケイタ氏
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 一般社団法人PLAYERSのタキザワケイタ氏は、昨年超福祉展に出展して話題を呼んだ「&HANDプロジェクト」を中心に紹介。自らの経験から「やさしい気持ちを可視化し、思いを持つ人をマッチングすることが必要」と思いを語った。今年は&HAND関連のシンポジウム、ワークショップ、体験会も開催する。

 2020年の超福祉な日常を体験できる「体験ツアー」も実施される。NIN_NINを利用したボディシェアリングツアーでは、2人1組になり、カメラやスピーカーを通じて「目を貸す」「耳を貸す」といった体験が可能だ。avexの音声ARを使用した「SARFツアー」では、2名1組で音声のみを頼りに謎解きにチャレンジする。最新モビリティ「WHILL」を使った「モビリティツアー」では、渋谷の街中をめぐる。

街全体で超福祉展を盛り上げる

 メーン会場だけにとどまらず、街へ積極的に出ていくのが超福祉展の魅力でもある。

 渋谷区内の7カ所にサテライト会場を設置。例えば11月10日には、渋谷キャストで文部科学省主催の「超福祉の学校」が開催される。障害のある人が日頃の活動を発表・表現し、思いを伝えあい、学びあう。また、渋谷ヒカリエ5階では「シブヤを持ち歩く超芸術ショップ」を11月14日までの期間限定でオープン。障がいのある芸術家と職人がつくる、オンリーワンの商品に出会える。

 さらに、超福祉展のWebサイトで、超福祉に賛同した渋谷区の店舗や施設などがビジョンシェアリングショップとして紹介されていることにも注目したい。超福祉展の開催期間中、各店舗・施設には、ポスター、チラシ、ショップカードなどが設置され、渋谷の街全体で超福祉展を盛り上げていく。

大人数で簡単に人文字

 「カッコイイ」「カワイイ」「ヤバイ」といった、思わず使ってみたくなる、さまざまなプロダクトやテクノロジーの展示は、第1回目から行われ、毎年多くの人々の好奇心を刺激している。

 スポーツ関連でいえば、富士通・Yume Cloudの「電子コレオグラフィ」が初日から注目を集めた。これはスタジアム観戦の際に、遠隔制御の発光ガジェットで簡単に大人数の人文字を実現するもので、手に取りやすさ、可愛さも相まって、多くの来場者が足を止めて手に取る姿が見られた。

「電子コレオグラフィ」(富士通・Yume Cloud)
「電子コレオグラフィ」(富士通・Yume Cloud)
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「RDS WF01」(RDS)
「RDS WF01」(RDS)
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 また、3Dのエキスパートとして知られるRDSは、フォーミュラーカーのような車椅子「WF01」を展示。同社はチェアスキーなどパラアスリートへの製品提供をしてきたこともあり、特に優れたシート製造、カーボン(炭素繊維強化プラスチック)の加工、高いデザイン性などをアピールし、利用者を拡大したい考えだ。「なかなかカッコイイと思える車椅子がないことに気づき、だったら作ってみようと取り組んだのが今回の展示です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式で使ってもらえたらうれしい」(担当者)と夢を語る。