
日本をもっと強くする――製造業、未来への戦略
目次
-
エネルギー産業が向かうべき3つの方向
経営変革を促すエネルギー・メガトレンド(3)
エネルギー産業を取り巻く情勢が大きく変わる中で、関連企業はどの変わっていくべきか。方向性は大きく3つ考えられる。「顧客向けサービスプロバイダー」、「インフラマネジャー」、および「領域特化型プレーヤー」への移行である。
-
「4つのD」がエネルギー業界に変化をもたらす
経営変革を促すエネルギー・メガトレンド(2)
日本では、2016年に電力の小売り全面自由化、2017年にガスの小売り全面自由化が導入された。1995年に独立系発電事業者の発電市場への参入が認められ、2000年からは特別高圧顧客への小売りが自由化され、ようやく小売りの全面自由化に到達した。
-
激変するエネルギー産業の従来価値と市場
経営変革を促すエネルギー・メガトレンド(1)
エネルギー関連企業は、いま大きな変革を迫られている。コモディティーである電力、ガス、石油などの価値が低下していくと予想されるからだ。例えば電力についてみてみると、2010年代中旬以降、ドイツ市場において電力卸市場価格がマイナスとなる事態が発生している。これは、風力発電を中心とする再生可能エネルギーの…
-
Amazonがメーカーの脅威になる日
Logistics 4.0がもたらす「物流の価値」の変化(4)
物流を取り巻く事業環境の変容を語る上で米Amazon.com社(以下、Amazon)の存在は無視できない。近い将来、物流ビジネスへの本格参入を果たすことが十分に予想されるからだ。
-
金食い虫から孝行息子へ
Logistics 4.0がもたらす「物流の価値」の変化(3)
「モノ売りからコト売りへの進化」を成し遂げたいと考えるメーカーにとって、Logistics 4.0によって装置産業化が進む物流ビジネスは、極めて魅力的なターゲット領域といえる。なぜなら、もともと労働集約的な事業環境だったために資本集約的なサービスを提供する先行者がほとんど存在しないからだ。
-
物流を「外部化」すること
Logistics 4.0がもたらす「物流の価値」の変化(2)
日本はもともと単独決算方式だったため、物流子会社を業績管理の調整弁として活用したり、親会社の余剰人材を受け入れる「受皿機能」を担わせたりしていたが、連結決算主義に改められたことで、「物流の外部化」が少しずつ拡大している。Logistics 4.0が、この物流の外部化の動きを加速させる。
-
製造業にとって物流は「コスト」か?
Logistics 4.0がもたらす「物流の価値」の変化(1)
近年「Logistics 4.0」というキーワードが注目されている。Logistics 4.0とは、端的に言えばIoT(Internet of Things)やロボット技術などを駆使した省人化・省力化である。本稿では、今、物流がどう変わろうとしているのか、物流をコストセンターからプロフィットセンター…
-
自前主義を捨て、既にあるものは使い倒す
ありもの能力の徹底活用による価値創出の加速 ~和ノベーションのススメ(3)
-
安易なAI導入は「手触り」を奪う
ありもの能力の徹底活用による価値創出の加速 ~和ノベーションのススメ(2)
モジュール戦略の考え方は、ホワイトカラーの生産性、特に創造生産性の向上に活用できる。その取り組みが、弊社が提唱している日本型のイノベーション、「和ノベーション」だ。この言葉には、日本らしさを意味する「和」だけでなく、対話の「話」、仲間の「輪」という意味も含んでいる。
-
日本の強い現場はどこへいった
ありもの能力の徹底活用による価値創出の加速 ~和ノベーションのススメ(1)
日本の会社員が時間当たりに生み出しているGDPは欧米の2/3――。これは、日本人の働く時間が長い割に、生み出している付加価値が低いということを意味している。最近では世の中の進化のスピードが増しているにもかかわらず、日本の強みである現場の改善や創意工夫は逆に減っているという声もよく聞く。
-
日本には高いイノベーションの潜在力がある
現場の創造力と推進力を覚醒させるワークショップのすすめ(3)
発散の次は、出てきた意見やアイデアについて議論する「悶々」である。このプロセスは苦痛である上、一見非効率にも感じられる。しかし、感じていることや気になっていることを全て吐き出すこのプロセスは、一体感・合意形成を促すために必要な時間である。
-
出てきた知恵やアイデアは文字や絵に残す
現場の創造力と推進力を覚醒させるワークショップのすすめ(2)
イノベーションを生み出すためにワークショップ的な手法を活用している企業としては、米Apple社が挙げられる。2001年に発売された初代「iPod」は、社内の開発者に加えて、社外のデザイナーや心理学者、人間工学専門家など35人が集められ、ユーザーの音楽ライフを観察することにより11カ月足らずの短期間で…
-
イノベーションに向けて「人を動かす」には
現場の創造力と推進力を覚醒させるワークショップのすすめ(1)
現代は不確実な時代と言われる。英国のEU離脱、米国でのトランプ大統領誕生、世界各国でのテロ多発など、グローバリズムや自由主義といった普遍的と思われていた社会の価値観が揺らいでいる。個人の価値観はこれまでに輪をかけて多様化し、企業は個客ニーズへの対応に追われている。インダストリー4.0と呼ぶ新たな産業…
-
「ヒトは怠け、ミスを犯す」を前提に
「自動運転」を使いこなすために必要なこと:航空に学ぶ自動運転の課題(4)
航空機の自動操縦は常に進化を続けてきた。それは自動操縦というキカイそのものの進化もあれば、キカイの使いやすさの進化、つまりHMI(Human Machine Interface)の進化、キカイを使うヒトのトレーニングの進化でもある。これらの進化は、経験した事故や、事故に至らなかったものの通常と異なる…
-
パイロットと自動操縦、意図が食い違い墜落
「自動運転」で先行する航空機の教訓:航空に学ぶ自動運転の課題(3)
1994年、台湾の中華航空140便は、名古屋空港へ着陸しようとしていた。滑走路に正対した着陸進入降下中にパイロットが誤って、着陸を中断して上昇する「Go Around Mode」のスイッチを押してしまったため、自動操縦がエンジン出力増大と機首上げ操作を行い航空機は上昇し始めた。
-
誰も操縦していなかった航空機
「自動運転」で先行する航空機の教訓:航空に学ぶ自動運転の課題(2)
クルマより一足先に自動化が進んだのが航空機である。航空機は、機体の間隔が管制官により維持されていること、突然現れる歩行者がいないこと、見通しの悪い交差点も無いことなど、キカイの判断を難しくするような要因がクルマに比べ少ないことから、いち早く自動操縦が拡大した。
-
新しいタイプの事故が出現した
過渡期にある「自動運転」と、キカイを過信するヒト:航空に学ぶ自動運転の課題(1)
現状の自動運転車はドライバーである「ヒト」が運転を全くしなくて良い、自動運転機能という「キカイ」に運転を全て任せてよい、ことを意味するものではない。あくまでヒトが主体的に運転を行い、より安全を高めてくれる「運転支援機能」。ところが、手放し運転や運転中に本を読む動画がインターネットにアップされるなどし…
-
選ぶべきは「面白い技術」ではない
次世代型ビジネス・インテグレーター機能を強化する(3)
とかく大企業になると、技術者が心くすぐられるような面白い技術を持つベンチャーや、マスコミでよく取り上げられるベンチャーと提携した方が、経営の受けが良く、社内稟議が通りやすいのも事実だ。やすきに流されることなく、事業構想を具現化する上で何を補完したいのか、それを満たす最適な提携先なのかといった視点を忘…
-
セブン銀行はなぜ成功したか
次世代型ビジネス・インテグレーター機能を強化する(2)
デジタル技術を活用したビジネスモデル・製品をどう設計すべきか、必要な技術・ノウハウは何か、そのうちどれを外部から補完・調達すべきか、最適な外部調達先はどこか――。デジタル時代の今、かつてのシステム・インテグレーションの世界と同様に、複雑性の高い論点をクリアするビジネス・インテグレーションが求められて…
-
目的を見失ったコラボが失敗を招く
次世代型ビジネス・インテグレーター機能を強化する(1)
技術の高度化・複雑化が進み、市場がグローバル化するとともにオープン・コラボレーションのような動きが活発化する中、企画から開発、調達、製造からアフターサービスに至るまで、どこに自社としての事業の中核や強みを見出し、何を外部から調達するかを見極められるビジネス・インテグレーター機能が必要となる。