ゴルフボールの決まり事

 そもそもゴルフは、ボールをクラブで打って飛ばし、遠くにある直径10.8cmの穴に入れるまでの打数を競うスポーツですから、プレーヤーの目指すことは単純に2つ。遠くに飛ばすこと、狙ったところに落とすことだけです。その2つがいずれも非常に難しい。その目標に対してゴルフにおいても、テニスなどと同様に、用具に用いる材料の進化がパフォーマンスに劇的な影響を与えてきました。

* ホールの直径10.8cm ゴルフの聖地、セントアンドリュース(St. Andrews)の公共水道管の直径が10.8cmで、これを使ってホールを作ったのが由来だそうです。

 用具であるクラブとボールのうち、ボールはフェザーボールから天然ゴム、樹脂製へと材料が変わってきた歴史があります。近年は各種樹脂の多層構造がほとんどで、現在の公式球は大きさ(下限)、質量(上限)などの基準がルールによって定められています。形状についていえば、大きさが直径42.67mm以上、卓球のボールとほぼ同じ大きさです。質量は45.93g以下。中空構造ではなくゴムのように弾性のある樹脂で作られ、その表面には270~450個のディンプルがあります。

 所定の速度で打った時の初速、所定の打ち方での飛距離についても上限が決まっており、飛びすぎるボールは公認されないことになっています。テクノロジーの進化がスポーツ本来の面白さを欠くような場面が多くなると、それを避けるために、規制をかけ規則で対応せざるを得なくなってくるのでしょう。

 ゴルフボールの起源は、羽毛を皮で包んだ手作りフェザーボールでした。当初、表面は滑らかでしたが、表面にキズが付いたボールの方がどうも飛ぶようだということが分かり、1848年に表面に溝がついた「ガッタ・バーチャボール」(ガッティー)が出現しました。これが現在のゴルフボールの原型といえるでしょう。

 1898年にゴムのボールが使われ始め、1899年に米国人医師コバーン・ハスケル(Coburn Haskell)によって発明されたゴム芯糸巻きボール「ハスケルボール」(Haskell rubber-core ball)がゴルフを発展させたといわれます。コアとカバーというボールの構造を確立し、現在の形へと進化させるきっかけをつくったハスケルボールはその飛距離も大きくアップし、ゴルフ場設計の概念を変えるほどだったそうです。それまでのガッティーと比べ飛距離も伸び、コントロールしやすく、「bounding billy」(とびはねる男の子)と呼ばれていたそうです。

 ゴルフの醍醐味はやはり飛ばすことでしょうし、ゴルフが多くのプレーヤーにとって楽しいものになったのは、ハスケルボールの発明があったからといっても過言ではないでしょう。そして、1908年以降ディンプルが使われるようになり、1930年に全英ゴルフ協会がゴルフボールの規格を制定、以後改訂を経て今日の規定に至っています。