ポールへ新材料、一挙に伸びた跳躍記録

 ポールの材質は時代とともに進化し、竹、鉄、アルミニウム合金などの金属、そして現在のグラスファイバー(ガラス繊維強化複合材料)製ポールが生まれ、記録が驚異的にアップしました。木製ポール時代の記録はせいぜい2m台~3m台でした。それより柔軟性のある竹製が普及すると記録は4m台まで伸び、日本も1936年のベルリン五輪でメダルを獲得。しかしその後出現した金属製ポールでは、強度はアップしたものの跳躍高は6cmそこそこしか更新できなかったようです。そして、現在も主流であるグラスファイバー製へと進化すると、跳躍記録は一挙に6m台へと伸びました。

 それは、なぜでしょうか。グラスファイバー製のポールは曲がって軽い。この特性が革命的にそれ以前のポールと異なります。それまでは、曲げるという概念は棒高跳びの常識にはありませんでした。

 そもそも人がポールを利用し飛べるのは、助走で得た運動エネルギーを変形によって生じるひずみエネルギーとして一時的にポールに蓄えるからです。そのエネルギーを解放しながら運動エネルギーに変え、アスリートを飛ばす初速を与えるわけです。自分の力とポールが曲がることによる復元力が合わさって、高く飛ばすためのエネルギーとして使えるようになりました。

 次に、軽さはどう有利に働くのでしょうか。経験者に伺うと、助走の際にポールの高い位置を握れるようになったとおっしゃいます。握りが高くなればポールを立てやすくなりますし、助走中はポールの先端を高く保って上体を起こしてバランスよく速く走れるので、跳躍高を導く要因となりました。