IAAFがサーフェスルールを規定、改良が続く

 そうこうしているうちに、1999年にIAAF(国際陸上競技連盟)が全天候舗装材の品質規格を制定し、認証制度を始めました。これにより、陸上競技用の全天候舗装材は、IAAFの定めた衝撃減衰率や垂直変位量、その他の規格値への適合が求められました。

 衝撃減衰率を高めることは、舗装体を柔らかくすれば達成できますが、力が加わった時に生じる垂直変位量が大きくなって品質規格値に収まらなくなります。この相反する条件を満たすように、ウレタンに混合する弾性骨材や発泡性骨材の特徴を生かすことでの対応が進んでいます。その1つにメカニカルフロス工法があります(図8)。

図8 メカニカルフロス工法の発泡フォーム層
図8 メカニカルフロス工法の発泡フォーム層

 メカニカルフロス工法は、強力なミキサーを使ってウレタン配合物に空気を混合し、これをアスコン層の上に塗布して発泡フォーム層を形成、これが表層の上塗り層やエンボス層と一体となって衝撃吸収性を向上させるものです。IAAFの品質規格を達成するための強力な手法となっています。

 参考までに、IAAFの規格(表)を示します。

表●IAAF(国際陸上競技連盟)が定めた全天候舗装材の品質規格
衝撃減衰率(衝撃吸収)、垂直変位量、すべり抵抗試験(摩擦)などの安全性が加味された。規格値は2016年現在。
特性項目試験条件規格値
1.瑕疵気泡、き裂、剥離などの瑕疵が認められないこと
2.平坦性4m定規で6mm以下、1m定規で3mm以下、局部の段差1mm以下
3.厚さ(サンプル厚)IAAF製品認定書に記載されている絶対厚さよりも10%を超える薄い厚さの部分の合計面積が、全舗装面積の10%を超えてはならない
4.衝撃吸収10~40℃30~50%
5.変位量10~40℃0.6~2.5mm
6.摩擦ポータブルスキッドレジスタンスWet47以上
7.引っ張り強さ非透水性表層0.5MPa以上、透水性表層0.4MPa以上
8.切断時の伸び40%以上
9.色調カラーハンドブックによる合格
10.排水性水を張って20分間の排水後、水がトッピング面を上回らない

 以上、サーフェス弾性層の改良の経緯をもう一度まとめますと、単一構造から多重構造が提唱され発泡弾性骨材混合技術へと広がりました。そしてさらに、現在も標準的なウレタン系全天候舗装材から、規格により衝撃吸収性能をアップするための仕上げを施したメカニカルフロス工法が登場しました。並行して、コスト低減という別の視点で複合弾性構造が1980年代初めに欧州で開発され、日本にも入ってきました。