日本と米国、両方の安全規格をクリア

 Araiは、国内外で実際にどのように評価されているのでしょうか。モータースポーツに詳しい方なら、Araiをご存じない方は皆無だと思います。でも、ご存じない方もいらっしゃると想定して、アライヘルメットへの情報をお伝えします(ご存じの方はお許しください)。

 アライヘルメットは2008年に年間売上高100億円を突破したヘルメット・メーカーであり、その品質評価は世界一との定評があります。その根拠は、まず日本での安全性の規格JIS/PSCと、米国のSNELL規格が定める耐衝撃落下試験基準の両方をクリアしていることです。「これらの厳しい規格を両方クリアしているヘルメットは他には、わずかしかない」(同社)そうです。

 顧客の満足度は、連続12年間世界一でした。米国の世界的な市場調査会社であるJDパワーが、モーターサイクル用ヘルメットに対する顧客満足度調査で、調査開始から連続12年間1位を取り続けたことで証明されており、同社だけの快挙です。12年で終わったのは、この調査自体が終わったからで、1位の座を他社に明け渡したからではありません。英国最大の2輪専門誌、Motorcycle News(MCN)からは2005年10月にDave Taylor Lifetime Achievement Awardという名誉ある賞を授与されました。

 英国人トップジャーナリストのPhil West氏によりますと、Araiは1980年ごろ世界的に君臨していたBell(米Bell Sports社)やAGV(Amisano Gino Valenza、イタリアAGV社)を抜き、人気ブランドへ急成長しました。他社のヘルメットとは、RenaultとRolls-Royceほどの歴然とした格差があった、と記しています。「英国においてAraiは、技術的に最先端を走り、最も人気のあるヘルメットであり続けている。その魅力の一つには無償のメンテナンスなどアフターサービスの充実もある」とし、極めて優れた二輪車用ヘルメットという立ち位置は不動であるというのです。

 日本国内の実績はどうでしょうか。その昔、アライ、SHOEI、マルシンの3社がヘルメットの御三家と呼ばれていたそうです。時代とともに変わってしまったようですが、以前と同じ業態をもち、独自の資本でそのまま存続できているのはアライだけです。国内シェアは確実な数字がないものの、1、2位を競う立場です*2

*2 国内ヘルメット販売の約半数が、工業会に属していない企業による輸入販売であり、工業会に属している17社においても詳細は非公開という事情があります。世界シェアについても確かな統計はないようです。

 レースでの実績を見て見ると、2016年開幕のF1のスターティンググリッドではヘルメットを4社が供給しており、パイロット22人中9人がAraiを着用しました。かつて不動の1位だったBellは8人、Stilo(イタリアStilo社)は3人、Schuberth(ドイツSchuberth Helmet社)は2人です。国内外のヒノキ舞台でトップを走っているヘルメットこそがAraiである、といっても過言ではないでしょう。