スペインではIoTで災害防止へ

 欧州で森林へのIoT活用を積極的に進めているのがスペインである。代表例が、人口約5万人の郊外の町ガローチャを舞台にしたプロジェクトだ。この町はバルセロナの北東、カタルーニャ州のジローナ県にある。ガローチャでは、森林が多いことから山火事のリスクが多く、また河川が氾濫して洪水の危険があることから、山火事と洪水を防止することを目的にIoTを使ったスマート化を推進した。

 センサーで集約する情報は、火災情報、CO2や大気汚染などの環境情報、河川の水位など40種類にのぼる。センサーノードには、太陽光パネルと蓄電池が設置され、数年間は自立運転する構造になっている。デバイスはモジュール構造になっており、センサーの種類を変えて組み込むことによって低コスト化を図っている。センサーおよびセンサーネットワークは、スペインのベンチャー企業Libelium Comunicacionesが開発したものを採用している。

 火災情報向けには、樹木などに温度、湿度、CO2、CO(一酸化炭素)を計測するセンサーノードを11カ所に設置して、それらの情報を分析して火災が起きているかどうか判断する(図2)。

図2 ガローチャの森林に設置された山火事モニター用のワイヤレスセンサーノード
図2 ガローチャの森林に設置された山火事モニター用のワイヤレスセンサーノード
(出所:Libelium Comunicaciones)
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 各種の環境情報の取得向けには、家屋の屋根などにCO2、NO2(二酸化窒素)、大気汚染物質[NH3(アンモニア)、H2S(硫化水素)、エタノール、トルエン]、石油成分を測定するセンサーノードを7カ所に設置している。洪水情報向けには、河川の橋に、超音波センサー付きのセンサーノードを16カ所に設置し河川の水位をモニターする(図3)。

図3 ガローチャの橋梁に洪水警報用のセンサーノードを設置している様子
図3 ガローチャの橋梁に洪水警報用のセンサーノードを設置している様子
(出所:Libelium Comunicaciones)
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