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 ヒートパイプは中空の管の中に封入した冷却液が熱で気化したり液化したりを繰り返すことで熱を移動する、毛細管現象を利用した冷却システムだ。このヒートパイプが丸形の管を使うのに対し、ベイパーチャンバーは金属板2枚を貼り合わせ、封入した冷却液が毛細管現象で移動する空間を作るという、扁平なヒートパイプといえる冷却方法だという。

 DIGITIMESのレポートは、スマホ各社によるヒートパイプ導入の動きについて、率先してスマホにこの冷却システムを取り入れたSamsung Electronics社が、Galaxy Note 7で爆発リコールを起こしたことにより、採用のムードもいったんはしぼんだと指摘。ただ、2017年のフラッグシップGalaxy S8シリーズでもSamsung Electronics社がヒートパイプの搭載を継続したことで、業界でも再度、採用の動きが起こり始めたとし、ベイパーチャンバーにも注目が集まり始めているとした。

 DIGITIMESの伝えた台湾系のあるヒートパイプ業者によると、放熱の効率の点ではベイパーチャンバーがヒートパイプを上回るというのが業界の認識だが、スマホ用ではヒートパイプが直近で0.35~0.40mmという薄型化を実現しているのに対し、ベイパーチャンバーは現状、0.38mmが限界なのだという。これに対して、Apple社が求める厚さは0.30mmで、採用を勝ち取るためには「0.08mmの差」を埋める必要があるとしている。

 ベイパーチャンバー技術の製品を開発している供給業者としてDIGITIMESは、CCI社、Asia Vital Components社(奇鋐=AVC)、台湾TaiSol社(泰碩)の台湾系3社の他、古河電工を挙げている。

 その古河電工は、ホームページで同社のペイパーチャンバー開発に触れている。今からちょうど1年前、2016年6月16日にエントリーされたこの文章の中で、スマホなどモバイル端末に使用する顧客に求められるペイパーチャンバーの厚さについて同社は、「0.5mm以下」と幅を持たせた表現をしている。Apple社の次期フラッグシップが出るころ、古河電工のホームページで「0.5mm」が「0.3mm」に書き換えられていたりしたら、非常に興味深いのだが。