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 2015年8月後半はスマートフォン(スマホ)市場の成長減速を示すニュースや統計が相次いだ。

 調査会社の米Gartner社は同月20日、同年第2四半期のスマートフォン世界販売台数が前年同期比13.5%増の約3億3000万台にとどまり、四半期ベースの成長率で2013年以来の最低を記録したことを明らかにした。調査会社の米IDC社も同25日に発表した2015年のスマホ世界出荷見通しを、これまでの11.3%成長から10.4%増の14億4000万台へと下方修正した。2014年の成長率は27.5%だったので、大幅な減速となる。

 スマホ減速の最大の要因としてGartner社、IDC社共に挙げているのは中国市場の失速である。

 Gartner社は2015年第2四半期における中国市場のスマホ販売台数が前年同期比で約4%減と、史上初めてマイナス成長に陥ったことが、世界販売の低迷を招いたとしている。同社のAnshul Guptaリサーチディレクターは、2015年第2四半期にスマホ世界販売の3割を占めた世界最大のスマホ市場である中国の低迷が、同期の世界市場の成長減速につながったと指摘。中国市場は飽和に達しているとした。

 一方のIDC社も、中国市場のスマホ出荷台数の成長率が2014年の19.7%から2015年は1.2%にとどまるとの見通しを示している。

 中国といえば、上海株式市場の株価暴落と、8月12日から3日連続で実施された異例の人民元切り下げが、日本でも連日のように新聞やテレビで報道されている。言うまでもなく、株の下落は個人資産の目減りにつながり、人民元切り下げは海外で買い物するメリットの低減を意味する。このため2014年来、日本の景気を下支えしてきた要素の一つだった中国人観光客のいわゆる「爆買い」が終焉に至るのではないかとの懸念が浮上している。

 Gartner社、IDC社の統計は、まさにこの人民元切り下げ、株暴落と重なるタイミングで出た。このため、中国経済とスマホ市場の失速を重ねて見る向きもあるようだ。もちろん、まったく影響がないわけではないだろうし、今後も株の暴落が続くようであれば影響が拡大することもあり得るだろう。ただ、現状では景気減速の影響よりもむしろ、Gartner社のGuptaリサーチディレクターが指摘しているように、中国の消費者の間にスマホがそこそこ行き渡ったことの影響がより大きい。