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 韓国Samsung Electronics社が、スマートフォン(スマホ)「Galaxy Note7」(以下Note7)のバッテリー問題で揺れている。Note7は同社が2016年8月19日に発売を開始した5.7型のスマホの旗艦モデル。発売後2週間で爆発、出荷のトラブルが35件報告された。これを受け同社は同年9月2日、調査の結果、バッテリーセルの供給を受けている2社のうち1社の製造工程に問題があったとし、韓国、米国など世界10カ国で販売済みの約250万台を回収し新品と交換するというリコールを発表した。250万台のうち消費者の手に渡った分は約100万台で、その他の約150万台は流通過程にある在庫だという。一方で、中国で発売されたものについては問題がないことが分かったためリコールの対象外になっている。

Samsung Electronics社のスマホ「Galaxy Note7」
Samsung Electronics社のスマホ「Galaxy Note7」
写真:Samsung Electronics社
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 スマホといえば同年9月8日には米Apple社が17年の旗艦モデル「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」を発表したが、Samsung Electronics社がNote7の発売を同年8月中にしたのは、Apple社の機先を制するためだったと言われている。発売直後は売れ行きが好調だったようで、台湾の経済紙『工商時報』は同月24日付で、好調な販売を受けSamsung Electronics社が安定供給の確保に向け、複数の部品についてサプライヤーの追加を検討していると報じていた。まさにSamsung Electronics社の目論見が見事に当たったというわけだが、その後発生したリコール問題で暗転。中国のネットメディア『澎湃新聞』(同年9月8日付)によると、調査会社IHS Markit社のアナリスト李懐斌氏は同月7日、同紙に対し、Note7のバッテリーに問題が出たのが明るみに出たことを受け、Apple社が部材のサプライヤーに対し、iPhone 7シリーズの発注を増やしたと述べたという。Apple社は、Note7がリコールになったことで、Samsung Electronics社のユーザーの一部がiPhoneに流れると踏んだのであろう。Samsung Electronics社にしてみれば、機先を制するどころか、相手を利するという皮肉な結果になってしまったわけだ。

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