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 中国の景気減速の影響を伝えるニュースが引きも切らない。たとえば『日本経済新聞』の「中国発素材デフレ加速・需要減で大量輸出・銅6年半ぶり安」(2015年11月19日付)という記事。それによると、中国では内需が減って資源の輸入が鈍化している一方、道路や鉄道など中国国内のインフラ整備が一段落したにもかかわらず生産調整が行われないため、過剰に生産され行き場を失った素材が中国から大量に輸出されており、これを受け資源や素材の値下がりが加速しているというもの。また、「中国で人員削減の波 コマツ・太平洋セメントは1割」(2015年11月13日付)という記事では、中国の景気が減速する中、コマツや太平洋セメントが現地従業員の1割を削減、東洋製罐グループホールディングスが中国での飲料缶製造から撤退するなど、人員削減に踏み切る日本企業が目立ち始めていると伝えている。

 中国の国内総生産(GDP)成長率は2015年7~9月期、6.9%成長と、2009年以来の7%割れとなった。中国経済が減速しているのは紛れもない事実だ。

 ところが、中国の失速を示す数字や記事が伝えられる一方で、庶民の消費は引き続き堅調なように見える。例えば、中国で国慶節(建国記念日)の大型連休があった同年10月初頭には、中国からの訪日客が大挙して押し寄せたが、すっかりおなじみになった「爆買い」で旺盛な消費力を見せつけ、2014年来、中国人観光客で潤ってきた日本の百貨店や量販店などをホッとさせたという報道も目立った。

 もう一つ例を挙げよう。当コラムでも前回取り上げたが、中国では去る11月11日が年に1度のネット通販の日「光棍節」(独身者の日)で、電子商取引(eコマース)各社が競ってセールを展開したが、最大手のAlibaba社(阿里巴巴)は、1日の総取引額(GMV)が912億元に達した。1元=約19.2円だから、日本円で実に約1兆7500億円という驚異的な金額を1日だけで売り上げたことになる。前年との比較でも60%増だという。