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 台湾の通信社『中央社』(2015年11月11日付)によると、Apple社のウオッチャーとして著名な台湾KGI証券(凱基)のアナリスト郭明錤氏は同月初旬の時点でいち早く、iPhoneが有機ELを採用するのは考えにくいとし、その最大の根拠としてiPhoneアセンブリでApple社の最大のパートナーであるEMS世界最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕が、最大のiPhone製造工場を置く中国河南省鄭州に280億元(1元=約19円)を投じて低温ポリシリコン(LTPS)液晶生産工場を建設することで、鄭州市経済開発区と同月7日に契約を結んだばかりであることを挙げた。郭氏は、このLTPS工場では2017年11月から試作を始め、2018年から本格的な量産に入ることを計画しており、iPhoneへの供給を目指したものだとした上で、Apple社がiPhoneに有機ELを採用するのであれば、フォックスコンは軽率にこの巨額の投資を行っていないとの考えを示した。

 ただ、先のThe Korea Timesが伝えた韓国の業界筋は、フォックスコンが鄭州LTPS工場で生産するのは「budget models」、すなわち「安いモデル」向けだとし、iPhoneがハイエンドモデルには将来的に有機ELを採用するとの考えを示している。

 こうして、iPhoneの有機ELディスプレー搭載の話題が盛り上がっていたところに、Apple社が「ひっそりと」台湾にディスプレー技術の研究開発センターを設けていたのが分かり、しかも有機ELへの移行に積極的だというのだから、Bloombergの報道を受け台湾の市場や業界では、「iPhone用ディスプレーの供給業者に台湾系が加わるのは確実」「受注するのは研究開発センターに人材を送り込んでいるAU Optronics社」といった観測が相次いだ。iPhoneが有機ELを採用するのか、採用するならばどこが供給するのかなど、今後の展開が興味深い。