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 現在、国内にはロボット関連の特区として茨城県つくば市や千葉市、北九州市などいくつかある。なかでも注目されている特区の1つが、神奈川県の「さがみロボット産業特区」だろう。

 「さがみ」とはいうものの、同県の相模原市だけを指すわけではない。同市や平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、厚木市など、神奈川県の真ん中を南北に走る「さがみ縦貫道路」の周辺に広がる12市町が対象地域になる。ここには、同県内の研究開発人口の約5割が集中しているという。
 
 同特区の目標は、生活支援ロボットの実用化を通じて地域の安全・安心を実現すること。具体的には、医療・介護ロボットや災害対応ロボットの研究開発や実証実験などを進めたり、関連産業の集積化に取り組んだりしている。特徴的なのは、徹底した「出口戦略」を取っていることである。実用化という出口を見据え、「製品として市場に送り出すことに最も注力している」(神奈川県の担当者)。

 「これ、面白い技術ですね。どういう応用先を考えているのですか?」
 「それを今、探しているんですよ。何かいいアイデアはないですかね?」
 「うーむ…」

 私が技術関連の展示会を取材している際、「参考出品」といった掲示がある展示品に関して、展示ブースの説明員と交わす会話のパターンの1つである。面白そうな技術ではあるのだが、具体的にそれをどう使って製品化へと結びつけていくのかが、はっきりしていないのである。たぶん、その後、何らかの形で製品化される技術がある一方で、応用先が見つからず、日の目を見ないまま死蔵してしまっている技術もあるだろう。非常にもったいない話である。