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 ドイツのハノーバーで毎年春に開催される産業技術の展示会「Hannover Messe」。例年と同様、今年も日経ものづくりと日経エレクトロニクスでは記者を現地に派遣し、多くのニュースを読者の皆様にお届けした。

 実は、筆者も同展示会を取材したことがある。といっても、だいぶ以前で2002年のことだ。当時は携帯機器や自動車などに向けた燃料電池の開発が激化していた頃。欧米の燃料電池メーカーを中心に約90社が出展し、会場が熱気であふれていたことを思い出す。残念ながら、その後、特に携帯機器向け燃料電池開発は下火になってしまったが…。

 では、今年のHannover Messeの目玉は何だったのか。その1つが、トヨタ自動車が工場内ネットワークの新たな自社標準として、ドイツ発の通信規格である「EtherCAT」を採用すると発表したことだろう(関連記事)。同社はこれまで日本発の通信規格を採用していたが、世界市場でシェアを高めているEtherCATへの切り替えを選んだのである。これにより、同社は世界規模での工場のネットワーク化を目指す。

 このニュースを聞き、筆者はすぐに「あの出来事と同じような動きだな」と思った。それが車載LANの通信規格にまつわる標準化である。

 1990~2000年代初め、国内の自動車業界では各自動車メーカーが車載LAN向けに独自の通信規格を策定し、採用するのが一般的だった。例えばトヨタ自動車は「BEAN」、日産自動車は「IVMS」といった規格である。ただ、どれも似たような仕様で、データ伝送速度は10kビット/秒程度と低かった。やがてこれらの独自規格の存在感は小さくなり、より高速でグローバルな標準規格である「CAN」の採用へと各社とも走り出すことになる。