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 ミニチュアの人形や物体などを、少しずつ動かしコマ撮りしていくことでアニメーションを作る、いわゆる「コマ撮りアニメーション」(ストップモーション・アニメーション)というジャンルがある。その分野で著名なグラフィックデザイナーの岡崎智弘氏が、CGやゲーム、ロボットなどの企画開発を行う谷口直嗣氏と協力して、ロボットを使って作品を制作した。谷口氏は最近では、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」のアプリケーションを制作したり、「2015国際ロボット展」ではロボットアームを使った生け花のデモを手掛けたりしている。

 筆者は実際にストップモーション・アニメーションのプロの制作現場を見たことはないが、子供の頃、折り紙で作った鶴を少し動かしては写真を撮り、少し動かしては写真を撮り…という作業を繰り返し、それらをつなげることで動画を作ったことはある。数秒の動画を作るのも一苦労である。この骨の折れる作業を、岡崎氏らはロボットで自動化した。

 「ストップモーションロボティクス」と名付けられたこのプロジェクト。2016年9月に開催されたイベント「Autodesk University Japan 2016」の会場で披露された(図1)。2台のロボットが動き、その場でアニメーションを制作する。ロボットの2指のグリッパーで積み木を掴んでは移動させ、離したタイミングで手先にカメラを備えたもう一方のロボットが写真を撮り…という作業をテーブル上でひたすら繰り返し行っていく。

図1 ストップモーション・アニメーションの制作風景
図1 ストップモーション・アニメーションの制作風景
左のロボットが積み木を移動し、右のロボットが位置を合わせて撮影する。2指のグリッパーと、撮影用のカメラのマウントは、米Autodesk社の3D CAD/CAMソフトである「Fusion 360」を用いて設計し、3Dプリンタで出力したという。
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 正直、作業としては非常に地味である。しかし、普段から手作業でアニメーションを作っている岡崎氏は、「自分が思い描いたものが勝手に出来上がっていくのは楽だし、ロボットの動きは鑑賞物としても面白い」と語る。