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Volkswagen社のディーゼル車「Golf TDI」
Volkswagen社のディーゼル車「Golf TDI」
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VW社のCEOだったMartin Winterkorn氏
VW社のCEOだったMartin Winterkorn氏
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ドイツ首相のメルケル氏もびっくり
ドイツ首相のメルケル氏もびっくり
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 悲願の世界一を手中にした矢先に陥った最悪の窮地──。

 2015年1~6月の販売台数でトヨタ自動車を抜き、世界最大の自動車メーカーとなったドイツVolkswagen社(以下、VW社)。同社がディーゼル車のエンジン制御システムに米国の環境保護局(EPA)が定める排出規制を不正に回避するソフトウエアを搭載していたという問題が批判を浴びています。

 EPAの公式テストを受けていることを検出すると、排出ガス中の有害物質の量を減らすようプログラムされており、特にNOx(窒素酸化物)の排出量を減らす効果が高いようです。試験中はNOx排出量を規制値以下に低減し、通常走行時には規制値の10~40倍のNOxを排出するとされています(関連記事)。

 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の投入に積極的なVW社は、環境対応の先進メーカーとして、これまで高く評価されてきました。ディーゼル車でも“クリーン”を売り物にしてきただけに、経営に与える打撃は深刻です。最大で180億米ドル(約2兆2000億円)の制裁金を課される可能性も浮上。排出ガス不正操作の問題は、米国だけではなく、欧州などで販売するVW社のディーゼル車にも飛び火しようとしています。

 問題が表面化したことを受けて、VW社の最高経営責任者(CEO)Martin Winterkorn氏は、トップとしての責任を認めて、辞任すると発表しました。

 もちろん排出ガス不正操作はVW社に限られたものなのかというと、他メーカーにも広がる可能性はあります。VW社のディーゼル車向けに電子制御燃焼噴射システムを供給するのはドイツBosch社で、同社の部品は他の自動車メーカーのさまざまなディーゼル車も採用しています。他メーカーのディーゼル車でも、通常走行時に排出ガス規制をクリアしていないとの指摘も出ています。