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 「OFDMA自体は、決して高いパフォーマンスを約束するものではない。OFDMAといった無線リンクの技術だけでなく、その周囲のシステム特性を向上させる技術のほうが、重要性は高い。なかでも私が注目するのは、密度の濃い基地局の配置だ。スモールセルといった基地局のマネージメント技術が、次世代の移動体通信技術で大変重要になると思っている――」。

 これは今から7年前に、米Qualcomm社で当時CEOだったPaul E. Jacobs氏にインタビューした際の言葉です(関連記事)。
 
 当時はWiMAXやLTEといった様々な方式が提案され、従来主流だったマルチアクセス方式の「CDMA」から次世代の「OFDMA」に切り替わっていくというタイミングでした。様々な企業がOFDMAのパフォーマンスの高さを喧伝する中、「決して周波数利用効率が劇的に上がるわけではない」という冷静な目線で語っていたJacobs氏のコメントは印象的でした。もちろん、CDMA関連技術のパテントが同社の収益の根幹を占めるという事情はありますが、フェムトセルなどの小型基地局を密度濃く配置し、ユーザースループットを高めることこそがカギを握るというコンセプトは、今後の第5世代移動通信「5G」にも通じる考え方でした。

 さて、時代は変わって2015年。今や移動通信業界の話題は「5Gがどうなるか」という状況ですが、果たして、常に先のことを考えているであろうJacobs氏の関心事とは一体どこにあるのでしょうか?