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大方の予想が外れる


 移民問題とは違うが、国際情勢と言えば、electronica 2016の期間中に、米国大統領選挙があった。「大方の予想を裏切り、Donald Trump氏が当選した」と多くのメディアが報じた。Trump氏が大統領になると何がどう変わるかは専門家にお任せするとして、筆者が気になったのは「大方の予想を裏切り」という部分だ。正しくは「我々メディアの予想を裏切り」だろう。43代のGeorge Bush氏が再選されたときも、メディアの予想は裏切られている。


 インターネットやSNSなどのおかげで、以前に比べて情報が容易に大量に手に入るようになったはずなのに、予想はまた外れた。その原因は、同じ情報が増えているだけで、カバーされる情報の範囲が思ったほど広がっていないことだろう。「隠れTrump支持者が多かった」という指摘があるように、インターネットやSNSで叩かれそうな情報は依然としてカバーされていない。情報の出し方には配慮や工夫が必要だが、ネット住民の都合に合わせているだけではダメだと、メディアに携わるものとして改めて思った次第である。


 少し硬い話が続いたので、最後に柔らかい話を。前回(8月)にエディターズノートで書いた「Pokémon GO」である(関連記事2)。やり始めてから、今回、初めて海外に行った。驚いたのは、Pokémon GOをやっていると思われる人にほとんど遭遇しなかったこと。同僚によれば、空港バスでPokémon GOに興じていたのは日本人男性だけだったそうだ。ミュンヘンの街中で「歩きスマホ」の人はそこそこ目にしたので(東京よりは少ない)、移動中にもスマホを使う人はいるわけである。日本よりも早くPokémon GOのブームは去ったのか・・・。


 海外では表示言語が現地語になるかと思っていたが、日本語のままだった。表示言語だけでなく、登場する野生のポケモンの種類も日本とほとんど同じだった。同僚からは、欧州でしかゲットできないというポケモン「バリヤード」のことを聞いていた。移動は地下鉄がほとんどでPokémon GOをやる時間がほとんどなかったので、遭遇は無理かと思っていた。が、東京行の旅客機に乗ってからドアが閉じられる(つまり、電波を発する電子機器が使用禁止になる)ほんの少し前に、筆者のスマホの画面にバリヤードが現れた。ゲット!