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 世界各地で工場のスマート化に向けた動きが進んでいます。特に先行しているのが、ドイツの「インダストリー4.0」や米国の「インダストリアル・インターネット」です。インダストリー4.0は、ドイツ政府が主導する国家的な技術戦略で、ドイツの産官学が一体となってスマート工場の実現に取り組んでいます。これによって、品質や生産性を高めつつ、カスタマイズ品を大量生産品と同等のコストやリードタイムで造る、いわゆる「マスカスタマイゼーション」のような新しいビジネスモデルの創出も同時に狙っています。インダストリアル・インターネットは、米General Electric社(GE社)が提唱した概念で、「ITによるものづくりのサービス化」という大きなテーマを掲げています。現在は、GE社をはじめとする産業界が中心となってコンソーシアム(Industrial Internet Consortium)を形成し、さまざまな分野で実証実験を進めています。Industrial Internetの対象は工場だけに限りませんが、スマート工場もその柱の一つという位置づけになっています。

 このような世界の動きに対して、日本は後れを取っているとされてきました。特に、インダストリー4.0に比べると、日本が異業種連携や国際標準化といった面で見劣りするのは否めません。しかし、ここにきて先行企業を中心に“反攻”の動きが出てきました。日本の強みを生かしながら世界でも類を見ないスマート工場を目指す動きや、常識にとらわれない斬新な技術が日本で次々と生まれつつあります。2015年9月号の特集1「インダストリー4.0は怖くない」では、日本におけるこうした状況をまとめました。担当したのは、日経ものづくりの編集部で最も若い2人の記者、高野敦記者と野々村洸記者です。高野記者はここ最近、スマート工場の記事を積極的に執筆しており、日経BP社が2014年からこれまで複数回にわたって開催してきているイベント「FACTORY」のプログラム作成で中心的な役割を果たしている記者です。野々村記者は2015年入社の新入社員で、今回の特集での取材を通じて、スマート工場への興味や関心が一層強まったと申しております。今後取材などにおうかがいする機会が増えると思いますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。

 2015年9月号でもう1つご紹介したいのが、特集2「メイカーズ旋風、日本へ」です。個人やスタートアップ企業といった、いわゆる「メイカーズ」によるものづくりの広がりが、日本の製造業にも侮れない動きとなってきました。自由な発想は多種多様なアイデアを生み、それを具現化する手段も整備されてきているからです。この特集2では、2015年8月1~2日に開催された「Maker Faire Tokyo 2015」での出展内容から、メイカーズの最新動向を探りました。ご興味があれば、是非ともご一読いただけますと幸いです。