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 メーカーの経営陣は自らテクノロジーに強い関心を持つことが大事で、さらに、現在自分の会社が持っている技術やその延長線上にあるもの以外にも視野を広げて、イノベーションに正面から向き合うことが欠かせません。

 さらにイノベーションを実現させる一番のカギは、強い好奇心を持つ人材を獲得することです。「もともと好奇心がない人は、どんなに叩いても出てこない。インテリジェントな仕事では1人で千人力のことができるわけだから、そういう意味ではものすごく乱暴な言い方をすると、1000人に1人の好奇心がある人をどれだけ捕まえられるかに企業の存亡が懸かっています。好奇心資本主義のような感じです」と川口氏は語ります。

英国のオープンイノベーションの黒子

 7位は「非米国流、イノベーションの“駆け込み寺”」でした。オープンイノベーションが注目を集める中、欧米企業の研究開発で黒子として加わって活躍する英Cambridge Consultants社を取り上げています。

 同社は英ケンブリッジ大学の産学協同組織として設立され、約600人の従業員の大半が研究者です。ソフトウエアやハードウエア、流体力学、医療機器といった多様な分野の専門家が揃っており、さまざまな企業と二人三脚で技術革新に取り組んでいます。

 オランダのPhilips社と組んで開発した高齢者が倒れた際に自動的に検知して無線で通報する「Lifeline」シリーズ。ドイツSiemens社と組んで開発した新型ガスメーターでは、5つあった電池を1つに減らしてコストダウンと同時に電池寿命を2倍に伸ばす性能を実現したそうです。

 欧米企業はオープンイノベーションに積極的で、社外のリソースを巧みに活用している事例が目立ちます。日本企業でも、日立製作所やアサヒビールなど6社が既にCambridge Consultants社の顧客になっているそうです。

 さまざまな課題を乗り越えて、日本メーカーから新たなイノベーションが続々と生まれてくることを願ってやみません。