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 テスラ、テスラ、テスラ——。

 日経テクノロジーオンラインのテーマサイト「スキルアップ」、2016年7月(6月28日〜7月28日)のアクセスランキングは、米国で起きた米Tesla Moters社の電気自動車(EV)の事故に関する記事がトップ3を占めました。

 第1位の「テスラEVで死亡事故、識者に聞く---『自動運転が起こしたという認識は間違い』」と、第2位の「テスラEVで死亡事故、識者に聞く---『これは運転支援システムである』」は、2016年5月の事故。これは、同社が開発した運転支援システム「Autopilot」を用いて走行していたEVがトレーラーに突っ込むという死亡事故でした。

 第3位の「テスラEVでまた事故、喫緊の課題は『機能告知の徹底』」は、同年7月の事故。クルマが180度横転する事故でしたが、幸いなことに死者は出ておらず、「Autopilot」を使っていたかどうかは不明なのだそうです。

 EVの販売台数を伸ばし、経営者のカリスマ性でも大きな注目を集めるTesla社の話題であると同時に、現在の自動車、エレクトロニクス、IT(情報技術)の最先端を集める場になっている自動運転の話ですから、多くの読者が関心を持つのも無理はありません。3本の記事はテーマサイトの中だけではなく、日経テクノロジーオンライン全体でもランキングの上位に食い込みました。

自動運転だけにとどまらない

 これらの事故は、自動運転に限らず、技術開発における多くのテーマを詰め込んだケーススタディーになっています。これも、読者の注目を集める理由でしょう。

 例えば、これまで存在しなかった新しい技術を世の中に伝えることの難しさ。「Autopilot」(日本語だと「自動操縦」でしょうか)という言葉が適切だったのかという意見も多く目にしました。最近のクルマで人気になっている「自動ブレーキ」でも、同じような議論があります。

 現段階では「ドライバーが基本的に運転操作の責任を負う」ということになっているわけで、「何でも自動でやってくれる」と伝わってしまうのであれば、技術の表現方法についての議論はもっと深まるべきでしょう。技術の進化は本当に急になっていますから、我々のようなメディアも、メーカーも、技術者も、一般消費者にどう啓蒙すべきかを一度立ち止まって襟を正す時期なのかもしれません。

 第2位の記事への読者コメントでは、我々のような報道に携わる者にとっては耳の痛い意見がありました。

 過去を振り返って見て欲しい。テスラは最初からレベル2の「運転支援」だ。メルセデスなどと何ら変わりない。ところが、マスコミが、さもレベル4の「自動運転」のような報道をしている。もちろん、テスラ側にもそのように勘違いさせる動きがあった。テスラは自社で十分なテストをせずに市販をし、ユーザーに「自動運転」をさせて実績作りをしようとしたのではないかという、米国マスコミの報道もある。もの作りで大切なことは、「ユーザーを実験台にしてはならない」ということだ。ユーザーのほとんどは、レベル2かレベル4かは分かっていない。さもあらんか報道やコマーシャルがユーザーに間違った判断を与えてしまっている。今回の事故で、マスコミの責任は免れないのではないか。(かずさん)