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 今回の1位となった「『半導体工場は植物工場に向かない』パナソニックが講演」は、しばらくの間、日経テクノロジーオンラインのニュース記事だけでなくコラムも含めた週刊ランキングの1位を続けるほど、多くの人に読まれた記事でした。その理由は、なんといってもタイトルのインパクトの大きさだったと思います。

 これは、何年も前から植物工場を取材して記事を書いたことがある筆者にとっても衝撃的なタイトルです。なぜなら、半導体工場のクリーンルームを転用した植物工場の事例をいくつも書いてきたからです。密閉度が高く、室内の圧力を高めてあるクリーンルームは、外部から菌や害虫の侵入も防げる点で野菜生産に向いている、と考えていた人は「なぜだ?」と思わず食いついたのではないでしょうか。

 また、クリーンルームを転用した植物工場の事例としてはこれまで、富士通や東芝といった企業を取り上げてきました(半導体工場とは限りません))。これに対して、「半導体工場は植物工場に向かない」と発言したのがパナソニックだったという点も、筆者としては少なからず興味をそそられました。

 もちろん、タイトルのインパクトだけではなく、内容面もアクセス数増加には貢献したはずです。歩留まりやランニングコストといった黒字化に向けたポイントについて、具体的な数字を交えながら紹介しているので、植物工場に興味がある方々には大いに役立ったはずです。

 さて、筆者がタイトルから受けた衝撃(疑問?)は、本文を読んで納得に変わりました。「向かない」というのは「不適切」というよりも「最適ではない」と考えればよいわけです。遊休施設を活用する際には、既存設備のスペックの過不足や新規導入すべき設備の有無、追加工事の程度といったことで、初期コストもランニングコストも変わってきます。これらは、どんな作物を栽培するかでも違ってくるでしょう。そんなことを、改めて気づかせてくれる記事でした。