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若手がアイデアを出さないのはなぜか

――メーカーとして本質的なところですね。

北山 逆に、効率化が目的になっていると、負のスパイラルにどんどん入っていってしまい、機能や形の意味などを考えなくなり、なかなか良いものを開発しようという感じにならないですね。

 例えば、あるメーカーで聞いた話なのですが、最近の若い技術者はデザインレビューの前に新しいアイデアを入れたがらないそうです。なぜなら、スケジュールに間に合わなくなるし、デザインレビューで突っ込まれ、設計変更が生じるからです。設計変更回数や設計工数の削減を強く言われていると、消極的になってしまいます。新しいことに挑戦しても評価されないから、やらないわけです。

 これは、若い技術者の問題ではなく、マネジメントや仕組みの問題です。「減らす」系の目標ばかり掲げていたら、こうなるのは当たり前です。最近、標準化があらためて注目されていますが、楽をすることが目的化している傾向が見られるので、そこは気になります。

 結局のところ、新しいことに挑戦しなければならないという部分と、新しいことばかりやっていたら工数が足りないという部分と、そのジレンマの中で初めて良いものは生まれてくるのだと思います。効率化の重要性については「固定費マネジメント」(関連記事)として別にありますが、一方でそればかりでもいけない。固定費に適度な制約を設けながら、新しいことに挑戦することで、新しい価値を生み出していく必要があります。