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恣意的になっても分配すべき

――財務会計のための製品別原価計算では、実態が見えないということは分かりました。では、実際に投資を回収したかどうかは、どのように見ればいいのですか。

北山 これは、直接原価計算という手法を用います。具体的には、売り上げから変動費だけを引いた額、これを限界利益といいますが、限界利益を見ながら固定費を回収できたかどうか判断するのです。

 ただし、直接原価計算も万能ではありません。ほとんどの場合、ある製品を造るのに複数の生産設備を使用しているので、各生産設備の回収状況を見るためには、限界利益を生産設備ごとに振り分ける必要があります。ところが、生産設備の固定費を製品ごとに負担させる計算はあっても、製品から得た利益を生産設備ごとに分配する計算がないのです。

 例えば、A~Dという4種類の生産設備を使用している製品で1000万円の限界利益が発生しているとして、現在の会計ではA~Dの全体として1000万円回収できたということまでしかいえません。しかし、きちんと採算を見るためには、恣意的になったとしても固定費の製品別負担と限界利益の設備別分配をやるべきだと私は思っています。

 とにかく、今はどの投資がどれだけ回収できているのか、何か成功で何が失敗なのか全く分からない状況です。固定費については、決裁して使ったら終わり。言い換えれば、PDCA(Plan/Do/Check/Act)のうちPとDだけがあって、CとAはやりたくても見えないのです。当然、固定費マネジメントもできるわけがありません。固定費マネジメントができていないこと自体を認識していないのです。

(次回に続く)